研究課題/領域番号 |
19K06639
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
末次 京子 (塙京子) 同志社大学, 脳科学研究科( 研究開発推進機構), 准教授 (40391990)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | I-BAR / 細胞外小胞 / 細胞突起 / 細胞膜 / 形態形成 / 脂質膜形態 / エンドサイトーシス / エキソサイトーシス / ラメリポディア / フィロポディア / 細胞間コミュニケーション / シグナル伝達 / リン脂質 / BARタンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞間コミュニケーションを担う分子メカニズムの一つとして、細胞外小胞が注目を集めている。しかし、細胞外小胞形成はエキソサイトーシス機構以外にもまだ知られていない多種多様な経路によって作られると予想されているが、エキソサイトーシス機構以外、明確な分子機構が明らかになっているものはない。本研究では、I-BARタンパク質は、細胞表面の細胞膜突起構造を誘導しているだけでなく『細胞突起構造を形成している脂質膜を切断し細胞外小胞産生を誘導する』という新しい細胞外小胞形成を担うタンパク質であることを立証し、これまでにない新たな細胞外小胞形成メカニズムの解明を目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、脂質結合能を持ちタンパク質自身が重合しチューブ構造形成することの出来るI-BARタンパク質が、細胞膜を突起構造に誘導し、その突起が切断されることにより細胞外小胞が作り出されることを明らかにした。細胞突起の切断は血流などの非常に弱い力学的力で切断可能であることも示すことができた。実際に、マウス個体を用いた実験によりI-BARタンパク質依存的に細胞外小胞が放出されている様子も観察することが出来た。これらの結果により、I-BARタンパク質によるこれまでにない新しい細胞外小胞形成分子機構を提唱することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多細胞生物は細胞間コミュニケーションにより個体内で総合的な調和を維持することにより、一個体として生命を維持することが出来る。近年、細胞外には細胞外小胞が大量に存在し、細胞外小胞に含まれる因子が遠く離れた細胞に取り込まれ機能することが示されている。現在はがんの転移などにも寄与していることが提唱され、腫瘍などバイオマーカーとしても脚光を浴びている。本研究では、I-BARタンパク質が細胞膜を突起構造に誘導しその突起が切断されるという、これまでにない新規の細胞外小胞の形成分子メカニズムの一端を明らかにした。その結果、細胞外小胞をターゲットにした創薬基礎基盤の提唱し、社会的意義のある研究結果となった。
|