研究課題/領域番号 |
19K06657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
笠原 敦子 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (00447244)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ミトコンドリア動態 / 幹細胞性 / カルシウム動態 / ミトコンドリア / がん幹細胞性 / カルシウム制御 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアの形態は、絶え間ない融合と分裂により変化し、その特異的な形態、また細胞内局在は、ミトコンドリアの多彩な機能、特にカルシウム制御に関与する。グリオーマ細胞の幹細胞集団において、断片化し特異的な細胞内局在のミトコンドリアを観察しており、ミトコンドリア動態が、がん細胞の可塑性や不均一性の根幹である幹細胞性に関与している可能性がある。本研究は、(1) がん幹細胞集団の特異的なミトコンドリア形態を制御する因子は何か? 、(2) がん細胞の特異的なミトコンドリア動態が、どのようにがん幹細胞性の獲得や維持に関与しているか? について、カルシウム制御に着目し、ミトコンドリア動態の役割を解明する。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアの多彩な機能に関わる形態を制御する因子が、がん細胞の悪性形質の獲得や維持にどのように関与しているかを明らかにすることを目的とした。分子標的薬耐性肺がん細胞はミトコンドリア融合因子OPA1発現上昇によりその耐性を維持しており、OPA1の阻害により薬剤耐性が解除されることを示した。がん細胞は正常細胞に比べ、ミトコンドリア形態変化によるカルシウム制御が異なることを観察した。一方で、ミトコンドリア動態制御因子が悪性形質に関与することが報告されているグリオーマ細胞や、分子標的薬耐性肺がん細胞のミトコンドリア動態制御因子の発現を制御する上流因子の同定には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリア形態制御因子の発現を制御する上流因子の同定には至らなかったが、それは、悪性度の増したがん細胞は、より複雑に複数の生存シグナルを強化していると考えられる。一方で、ミトコンドリア動態は抗がん剤治療耐性となったがん細胞の耐性維持因子となっており、ミトコンドリア内膜融合因子を標的にすることで耐性を解除することができた。本研究の成果は、ミトコンドリア動態を治療標的とすることで、治療耐性となったがん細胞を駆逐する新規のがん治療研究となり、今後も他のがんでミトコンドリア動態の治療標的としての可能性を探りたい。
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