研究課題/領域番号 |
19K06663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 明子 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 教授 (30529037)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゴルジ体 / ショウジョウバエ / 視細胞 / 網膜 / 輸送開始 / SNARE / 光 / リサイクリングエンドソーム / 同調的輸送 / 極性輸送 / ライブイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
多細胞生物の体を構成する細胞の多くは極性を持っている。このような細胞構造を作成し維持するためには膜タンパク質を選別して適切な細胞膜ドメイン(極)へと送る小胞輸送(これを極性輸送という)が必要だが、その分子機構はよく分かっていない。小胞輸送の分子機構の研究は2013年のノーベル生理学・医学賞受賞領域だが、極性輸送については知見が乏しい。極性輸送は生命機能の維持には不可欠であり、その破綻は微絨毛封入体病・多発性嚢胞腎・網膜変性症などを含む様々な疾患を引き起こす。極性輸送の分子機構解明は、細胞生物学の基本的命題であるとともに、その解明により様々な疾患についての治療法の開発に直接つながると期待される。
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研究成果の概要 |
複雑な構造を持つショウジョウバエ視細胞が、その構造を形成・維持するために必要な機構、極性輸送に関わる因子を同定し解析を行った。具体的には、側底面への輸送に必要なCrag/Rab10/Ehbp1と光受容膜への輸送に必要なRab11を活性化するGEFであるPcsを同定し、その解析結果を報告した。また、光受容膜への極性輸送に必要なRab11がゴルジ体のトランス側に付着している意味について解析を行い、ゴルジ体とリサイクリングエンドソーム(RE)の密接な関係を見出した。このゴルジ体へ付着したREは一部の膜タンパク質を選別して取り込み、ゴルジから離れることで特定の細胞膜ドメインへ輸送していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複雑な構造を持つショウジョウバエ視細胞が、その構造を形成・維持するために必要な機構、極性輸送に関わる因子を同定し解析を行った。このような因子の欠損はしばしば網膜変性症を発症することから、人の疾患の原因解明や治療に重要な知見である。また、リサイクリングエンドソーム(RE)とゴルジ体の関係を解析した結果、REがこれまでトランスゴルジ網(TGN)と呼ばれてきた構造とほぼ同じ膜構造体ではないかと考えられた。これは、TGN. REの定義の再考を促す細胞生物学上の重要な発見である。
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