研究課題/領域番号 |
19K06674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
八杉 徹雄 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (90508110)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 視覚中枢 / 分化の波 / 数理モデル / 数理モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
様々な生命現象は多様なシグナル経路の複雑な相互フィードバックにより制御される。これまで、個々のシグナル経路の動作機構の理解が進んできたが、多細胞系において複雑なシグナル間相互作用を正確に記述することは困難であった。本研究では、シグナル間相互作用を包括的に理解するモデルとして、ショウジョウバエ視覚中枢の発生における「分化の波」に着目する。数理生物学的手法と実験生物学的手法を融合することにより、「分化の波」の進行を制御する複数シグナルの相互作用の包括的な理解を目指す。
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研究成果の概要 |
様々な生命現象は多様なシグナル経路の複雑な相互作用により制御される。本研究では、数理生物学的手法と実験生物学的手法を融合することによる複数シグナルの相互作用の包括的な理解を目指した。具体的には、ショウジョウバエ視覚中枢にみられる「分化の波」の進行現象に着目し、進行を制御するシグナル経路の相互作用の解明を目指した。 「分化の波」の進行を制御するEGF、Notch、JAK/STATといった既知のシグナル経路に加え、インスリン、TOR、Wntシグナルに着目し、シグナル間相互作用の解明に取り組んだ。また、細胞の大きさや格子の形状の情報を保存したまま空間離散モデルを連続化する新規の数理手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、数理生物学的手法と実験生物学的手法を組み合わせることにより、発生現象を制御するシグナル経路の相互作用の包括的な理解を目指した。ショウジョウバエ視覚中枢における「分化の波」の進行現象は発生現象が時空間的に制御された中で進行することから、数理生物学と実験生物学の融合研究の優れたモデルであると考えられる。また、本研究で扱ったEGF、Notch、JAK/STAT、Wnt、インスリン、TOR、シグナルなどのシグナル経路の機能は保存されており、「反応拡散」や「側方抑制」などの作用機構は今後他の生命現象を説明する数理モデルの構築にも応用できる可能性が高い。
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