研究課題/領域番号 |
19K06715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
真野 弘明 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 特任助教 (80376558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オジギソウ / 運動 / ゲノム編集 / カルシウム / ライブイメージング / 電気生理学 / チャネル / トランスクリプトーム / トランスジェニック / 転写因子 / アンチセンス鎖 / in situハイブリダイゼーション / 蛍光タンパク質 / 遺伝子 / 変異体 / シグナル伝達 / CRISPR/Cas9 / リガンド |
研究開始時の研究の概要 |
オジギソウは、接触等の刺激に応答して葉を折りたたむ「おじぎ運動」を行う。おじぎ運動は刺激から1秒程度の時間スケールで起こる非常に速い植物運動であり、その実現には「接触刺激の感知」「細胞間シグナル伝達」「細胞収縮による運動」のそれぞれを素早く行うだけでなく、これらの3要素を「高速で連携」させる必要がある。申請者はオジギソウにおける遺伝子改変技術を世界で初めて確立し、これを利用して実際におじぎ運動に関わる複数の遺伝子を同定した。本研究ではこれらの遺伝子の詳細な機能解析を行い、運動の3要素のそれぞれの分子メカニズム、およびこれらを高速で連携させるメカニズムの解明を行う。
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研究成果の概要 |
オジギソウは、さわると1秒程度の時間で葉を閉じるおじぎ運動を行う。このすばやい植物運動がどのような分子メカニズムによって行われているのかはよく分かっていない。本研究では、変異体がおじぎ運動に異常を示す3つの遺伝子について、その機能解析を行った。カルシウム動態のライブイメージング、遺伝子の過剰発現系統の作出、変異体のレスキュー実験、タンパク質の局在解析や遺伝子発現部位の解析、チャネル活性の電気生理学解析等の実験を行った結果、これらの遺伝子産物がどのようにおじぎ運動に関与しているかの一端が明らかとなった。また、変異体を用いたトランスクリプトーム解析から新たな運動関連遺伝子の候補を同定できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オジギソウは植物においては例外的に速い運動を示す。そのメカニズムの解明は、学術的には「特殊な生物が進化するプロセス」を明らかにする上で重要なモデルとなる。本研究の成果は、オジギソウの運動メカニズムの主要部分に対して遺伝子レベルでの知見を世界で初めて与えたものであり、その解明に向けて大きな前進をもたらした。また、オジギソウの高速運動や高速な細胞間シグナル伝達の仕組みの解明は、将来的にはこれらを利用した新規有用植物の作出等に役立つと期待される。
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