研究課題/領域番号 |
19K06724
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高橋 卓 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20271710)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / ポリアミン / サーモスペルミン / 維管束 / mRNA翻訳 / 植物ホルモン / 遺伝子翻訳 / 植物発生 |
研究開始時の研究の概要 |
サーモスペルミンは,植物と一部の細菌が持つポリアミンの一つで,高等植物では維管束木部分化の抑制に関わる。シロイヌナズナの変異体を用いた解析から,サーモスペルミンが転写因子遺伝子の翻訳促進に働くことを突き止めたが,その分子機構は明らかでない。また,外的なサーモスペルミンは木部分化を抑制するが,その取り込み,輸送機構は不明である。本研究では,シロイヌナズナのサーモスペルミン非感受性変異,およびサーモスペルミンが翻訳促進する遺伝子群の応答解析から,サーモスペルミンが細胞内に輸送される過程,直接相互作用する標的分子の同定,特定mRNAを翻訳促進する分子機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
シロイヌナズナのサーモスペルミン非感受性変異株itsの解析をすすめ,its1, its3, its7, its11がそれぞれRNAメチル化酵素,RNAスプライシング関連タンパク,RNA結合タンパク,RNAシュードウリジン化酵素をコードする遺伝子に変異を持っていることを突き止めた。以上の結果から,サーモスペルミンの作用にRNA修飾が深く関わることが強く示唆される状況に至った。 サーモスペルミン欠損変異acl5に対する抑圧変異株sac503についても原因遺伝子を特定し,サーモスペルミンが翻訳促進する標的遺伝子SAC51のuORFに塩基置換を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポリアミンはあらゆる生き物がもつ低分子塩基性化合物で,多様な生理活性を持つ。シロイヌナズナの解析から,オーキシンによる維管束分化の誘導をポリアミンの1つであるサーモスペルミンが抑えるという機能を明らかにしたが,その作用機構は不明である。本研究では,サーモスペルミン非感受性変異株itsを単離し,its1, its3, its7, its11がそれぞれRNAメチル化酵素,RNAスプライシング関連タンパク,RNA結合タンパク,RNAシュードウリジン化酵素をコードする遺伝子に変異を持つことを突き止め,サーモスペルミンの作用にRNA修飾が深く関わることを明らかにした。
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