研究課題/領域番号 |
19K06730
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
小島 晶子 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (10340209)
|
研究分担者 |
高橋 広夫 金沢大学, 薬学系, 准教授 (30454367)
松本 省吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90241489)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | シロイヌナズナ / 植物 / DNAメチル化 / 核小体 / エピジェネティック / 葉の発生 / AS2/LO Bドメイン / 45S rDNA / 分化 / 核小体タンパク質 / AS2 / 植物の発生・分化 / 発生・分化 / 発生 |
研究開始時の研究の概要 |
シロイヌナズナのAS2は、葉の裏側因子ETTIN/ARF3を抑制し、葉の表側の細胞分化を促進する重要な因子である。AS2はDNA結合を介してETTを抑制し、複数の核小体因子とともにETTのDNAメチル化維持にも関わる。また、AS2の機能には核小体近傍での塊状の局在が必要であるが、ETTを抑制する分子メカニズムは不明である。本研究では、AS2と核小体因子が、DNAのメチル化の制御を介して、どのように植物の細胞分化に関与するかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
シロイヌナズナのAS2遺伝子は、葉の発生・分化に重要な役割を持ち、植物で広く保存されているAS2/LOB遺伝子ファミリーに属する。AS2が核小体周縁部にAS2 bodyとして塊状に局在すること、核小体タンパク質とともに葉の裏側因子ETTのDNAメチル化の維持に関わることから、本研究では、AS2および核小体タンパク質が関わるエピジェネティックな制御を明らかにすることを目的とした研究を行なった。第一に野生型、as2変異体、核小体タンパク質遺伝子の変異体nuc1, rh10におけるEM-seqによるゲノムワイドなDNAメチル化レベルを解析した結果、as2とnuc1, rh10変異体では特定の遺伝子領域内の一部のCG部位のメチル化レベルが低下していた。さらにAS2 bodyとの部分的に共局在する45S rRNA 遺伝子(45S rDNA)リピートに関してもDNAメチル化レベルを解析し、as2変異体とnuc1, rh10変異体でCGメチル化レベルが野生型と比べて低下していることを明らかにした。第2に核小体の構造や大きさに変化のあるnuc1, rh10変異体でAS2 bodyの局在解析を行った結果、AS2 body 局在の変化が認められた。従って、AS2のAS2 bodyへの局在は核小体が正常な機能と構造を持つことが重要であると考えられた。第三にFISH解析で、これらの変異体では45S rDNAの局在が変化していることを明らかにした。AS2, NUC1, RH10は45S rDNAの局在パターンに影響を与えると考えられる。以上の結果から、動物のみならず、植物においても核小体周縁部がDNAメチル化を通したエピジェネティックな制御の足場として機能する可能性が示された。
|