研究課題/領域番号 |
19K06742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
八木沢 芙美 琉球大学, 研究基盤センター, 准教授 (70757658)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ミトコンドリア / リソソーム / 物理的相互作用 / 相互作用 / ESCRT / Cyanidioschyzon |
研究開始時の研究の概要 |
人類、動物、植物など地球上の多くの生物は、真核細胞とよばれる細胞から構成される。真核細胞には、膜で区切られたそれぞれ固有の機能をもつ細胞小器官、オルガネラが存在する。これらのオルガネラの相互作用は、細胞が正常に機能する上で重要である。 エネルギー生産を担うミトコンドリアと不要なタンパク質等の分解を行うリソソームというオルガネラは、しばしば密着して観察される。本研究では、この現象の生じるメカニズムと生理的な役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
リソソーム(液胞)は細胞内分解を、ミトコンドリアは細胞内のATP生産を担う細胞内小器官である。真核生物の進化の初期に分岐した単細胞紅藻Cyanidioschyzon merolae(通称シゾン)では、細胞分裂期特異的にミトコンドリアとリソソームが物理的に相互作用する。これまでに、ESCRTとよばれる複合体の構成タンパク質VIG1がこの相互作用に関わることが示されていた。本研究では、ミトコンドリアとリソソームの相互作用においてはVIG1がESCRTとは独立して機能することが示された。一方、ESCRTがシゾンの細胞質分裂の最終段階において機能することが副次的に明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物細胞などでは、リソソーム(液胞)とミトコンドリアの物理的な相互作用が脂質輸送やミトコンドリア分裂などに関与する。VIG1は他生物にも存在し、本研究成果は他生物に展開できる可能性がある。また、真核生物は古細菌型の宿主がミトコンドリアを獲得して誕生し、その後、動物・菌類・アメーバ類のもととなる系統と植物などを含む系統に分岐した。細胞質分裂の最終段階におけるESCRTの機能は、これまで一部の古細菌と動物細胞でしか知られていなかった。シゾンの細胞質分裂に関わる本研究成果は、ESCRTが真核生物の始原的な細胞質分裂装置である可能性を示唆し、真核生物の進化を理解する上でも重要な知見と考えられる。
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