研究課題/領域番号 |
19K06762
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿部 秀樹 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90396804)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 神経修飾ペプチド / 興奮分泌連関 / TTXアナログ / 有毒フグの毒化・繁殖行動 / ペプチド放出 / トランスジェニックメダカ / 神経修飾 / 嗅覚 / ペプチドニューロン / 放出動態 |
研究開始時の研究の概要 |
魚類性行動の動機づけ制御に関わる終神経GnRH3 ペプチド神経系をモデルとして、神経修飾ペプチドによる脳内神経回路調節機構を明らかにすることを目的とする。 ① GnRH3 ニューロン特異的に開口放出センサータンパク質を発現するトランスジェニック(TG)メダカを使用したin vivo / in vitroイメージングによって、脳内ペプチドニューロンの放出動態と近接ニューロン間での同期したペプチド放出制御機構を明らかにする。 ② GnRH3 ニューロンによる視覚神経回路に対する神経修飾作用をTGメダカを用いたGnRH3放出誘導/抑制によって中枢視覚回路・視覚性行動に生じた変化を解析することで検証する。
|
研究成果の概要 |
GnRH3ニューロン特異的に開口放出センサーを発現するトランスジェニックメダカを用いて単一ペプチドニューロンの開口放出をin vitro/ ex vivoで可視化した。その結果従来報告されていた自発発火活動下では同ニューロンからの開口放出はほとんど誘起されず、持続的興奮が必要とされることが示唆された。またGnRH3ペプチドによる高次視覚情報処理に対する修飾機構を解析する行動実験系を作出した。更に嗅覚情報の神経修飾機構を探る過程でフグがフグ毒テトロドトキシンの類縁体(TDT)を誘引性匂い物質として感知することを発見し、食物連鎖による毒蓄積の手がかりやフェロモンとして利用している可能性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は神経ペプチドを産生するペプチドニューロンの興奮分泌連関の時空間動態解明に寄与するものであり、他のペプチドニューロンにおける機構解明にも寄与する。また本研究過程から派生した有毒フグが体内にTTXと共に蓄積するTTXアナログを匂いとして検知するという研究成果は、これまで機能未知であったTTXアナログの役割解明に役立つのみならず、有毒フグの毒化機構や繁殖行動の制御機構解明にも広く役立つものであり、学術的にもフグ類の水産増殖における毒化防止を考える上でも意義深い成果であると考えている。
|