研究課題/領域番号 |
19K06771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
渕側 太郎 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (90802934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 概日リズム / ミツバチ / 神経ペプチド / sNPF / 社会性昆虫 / 免疫組織化学 |
研究開始時の研究の概要 |
リズム可塑性現象の基盤となるメカニズムに脳内の神経ペプチドが関わるのかを明らかにするために、まず、ミツバチの育児バチの脳内の神経ペプチドを免疫組織化学的な方法を用いて、その時空間的な局在パターンを明らかにする。その後、神経ペプチドを直接与える方法、あるいは分子生物学的な手法により機能阻害する方法を用いて、その機能を解析する。さらに、神経科学的な方法も用いて、ミツバチのリズム可塑性の基盤となる生理機構の一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
社会性昆虫コロニー内の社会的環境に応じて概日リズムの有無がスイッチする現象である「概日リズムの可塑性」について、それを制御する生理機構の解明に取り組んだ。先行研究より、その制御機構は、概日時計から運動出力に至るまでの経路上に存在するとされている。本研究では、昆虫の脳において時刻情報を伝達すると考えられている神経ペプチドshort neuropeptide F(sNPF)に着目し、その動態と機能の解析を試みた。その結果、ミツバチ脳において時計遺伝子PERIODとsNPFが共発現する細胞が複数発見された。このことはミツバチ脳でもsNPFが時刻情報の伝達を担うという仮説を支持する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昆虫における概日行動リズム出力機構は、中枢で時を刻む機構に比べ不明な点が多い。行動の制御は、活動電位といった電気的過程、神経ペプチドを含む神経伝達物質を介した化学的過程、さらに細胞内のシグナル伝達過程といった複数の要素が関わる。本研究は、上記の化学的過程の理解に焦点を当てている。昆虫脳におけるsNPFの神経解剖学的な分布はこれまでショウジョウバエ以外ではほとんど明らかになっておらず、今回、これにミツバチが加わった。ミツバチはショウジョウバエには見られない概日リズムが関与する行動を示す。本研究で見つかった時計細胞に発現する神経ペプチドは、こういった行動の制御機構に関与する可能性がある。
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