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ウイルスのように「消える」多核単細胞アメーバ寄生菌の実体解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06801
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分45030:多様性生物学および分類学関連
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

矢島 由佳  室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10587744)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード変形菌 / 粘菌 / シスト様菌類 / Cryptomycota / Rozellomycota / 寄生菌 / 寄生
研究開始時の研究の概要

変形菌の細胞内に寄生していると思われる菌類が発見されたが,現在までこの生物はシストと呼ばれる休眠状態に類似の形態でしか見つかっておらず,その生きた姿が確認されていない.本研究では,変形菌の生活環の各ステージを対象として,シスト様菌類がいつどのように変形菌細胞に感染し,その活動期にどのように増殖し,どのようにシスト様構造を形成するのかを明らかとし,なぜ暗黒期のような現象が観察されるのかを考察する.

研究成果の概要

変形菌の細胞内に寄生していると思われるシスト様の菌類の実体を解明するために,多様な変形菌を対象に野外調査および遺伝子解析を実施し,寄生が確認された標本を用いた培養実験,各種観察を行なった.この菌類は変形菌の胞子期に変形菌細胞に感染可能であることが示唆された.これまで好雪性のルリホコリ属の変形菌でのみ本菌類の寄生が知られていたが,本研究によりさらに2属が新たな宿主として追加され,またそのすべてが好雪性変形菌であった.したがって本菌類は,根雪の融雪下のような水分の多い低温環境を好む生態をもつ可能性が示唆された.

研究成果の学術的意義や社会的意義

変形菌は一般に,細菌や菌類の捕食者であるとされる.しかし自然界における生物間の関係はより複雑であると考えられ,変形菌も他の生物の被食者に位置していることがあり,その一例が菌類による寄生である.本研究では,好雪性変形菌の細胞内に寄生すると思われる菌類の実体を調査した.この菌類が属すると考えられるグループは,環境中の遺伝子情報でのみ知られることが多く,その実体を見つけ出し研究することが困難となっている.本研究によって,宿主の変形菌の生態的特徴情報を利用することで本菌の実体を得やすくなることが明らかとなり,当該菌の研究をさらに進めることにつながると考えられる.

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] Real Jardin Botanico de Madrid(スペイン)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [国際共同研究] University of Greifswald(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] Genetic structure of the protist Physarum albescens (Amoebozoa) revealed by multiple markers and genotyping by sequencing.2021

    • 著者名/発表者名
      Shchepin Oleg、Novozhilov Yuri、Woyzichovski Jan、Bog Manuela、Prikhodko Ilya、Fedorova Nadezhda、Gmoshinskiy Vladimir、Borg Dahl Mathilde、Dagamac Nikki H. A.、Yajima Yuka、Schnittler Martin
    • 雑誌名

      Molecular Ecology

      巻: 31 号: 1 ページ: 372-390

    • DOI

      10.1111/mec.16239

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Snowbank myxomycetes (true slime molds): a nest of cryptic microorganisms under snow cover2022

    • 著者名/発表者名
      Yuka Yajima
    • 学会等名
      Biology of Winter
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 変形菌に寄生する祖先的菌類の新しい宿主の報告2021

    • 著者名/発表者名
      三浦翔太・矢島由佳
    • 学会等名
      第54回日本原生生物学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 環境由来変形菌アメーバへのDNAバーコーディングの適用可能性の検討2021

    • 著者名/発表者名
      矢島由佳・田中建伎・中川敏祈・久保ルカ・冨田勘太・牧野航大・三浦翔太・村山廣行
    • 学会等名
      日本菌学会 第65回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] New intracellular fungal parasite of snowbamk myxomycetes.2020

    • 著者名/発表者名
      Yajima Y, Seto K, Degawa Y, Inaga S, Hoshino T.
    • 学会等名
      Biology of Winter Gordon Research Conference (Accepted, postponed until 2022 due to COVID-19)
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 変形菌子実体形成過程における自浄作用.2020

    • 著者名/発表者名
      矢島由佳
    • 学会等名
      日本菌学会第64回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 好雪性変形菌Lamproderma属種に細胞内寄生する菌類2019

    • 著者名/発表者名
      矢島由佳,石田大祐,瀬戸健介,出川洋介,稲葉重樹,星野保
    • 学会等名
      日本菌学会第63回大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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