研究課題/領域番号 |
19K06803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
藤山 直之 山形大学, 理学部, 教授 (90360958)
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研究分担者 |
松林 圭 九州大学, 基幹教育院, 助教 (60528256)
横山 潤 山形大学, 理学部, 教授 (80272011)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植食性昆虫 / 寄主植物 / 局所適応 / 生息場所隔離 / 移入者の生存不能 / ヤマトアザミテントウ / アザミ類 / 生態的種分化 / 生殖隔離 |
研究開始時の研究の概要 |
異なる寄主植物への局所適応は植食性昆虫の多様化を強く促進してきた。従来、科や属レベルで異なる植物が関与する“顕在的な”局所適応が注目されてきたが、局所適応は同属または同種植物の地域集団など、より近縁な植物群に対しても頻繁に生じることが予測される。 本研究では、東北地方に分布するヤマトアザミテントウとその寄主植物であるアザミ属の種/種内集団を対象に、「近縁な寄主植物に対する局所適応が植食性昆虫の種分化を促進している」という仮説を検証する。野外調査と室内実験により局所適応の実態を解明したうえで、網室への放虫実験により局所適応が集団間の生殖隔離をもたらすことを実証する。
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研究成果の概要 |
ヤマトアザミテントウとその寄主植物であるアザミ類を対象として研究を進めた。アザミの種/地域集団に対してテントウ集団が示す選好性と成育能力に関して、様々な程度の局所適応が生じていることが明らかになった。局所適応により発達する生殖的障壁の強度の見積もったところ、生殖隔離の強度は集団間で非対称でありながら全体として0.5程度であった。テントウ集団は隠蔽的な局所適応を介した種分化の途上であると捉えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近縁な寄主植物に対して生じる昆虫の局所適応は、隠蔽的に生じることから、その普遍性や意義に関する理解が大きく遅れている。本研究では、そのような隠蔽的な局所適応がどのように生じているかを詳細に明らかにしたとともに、局所適応がどの程度昆虫集団間の生殖的障壁の発達(=種分化)を促しているかを定量的に評価することができた。
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