研究課題/領域番号 |
19K06845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
桑村 哲生 中京大学, 社会科学研究所, 特任研究員 (00139974)
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研究分担者 |
坂井 陽一 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (70309946)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ニセクロスジギンポ / 掃除魚擬態 / 攻撃擬態 / 保護擬態 / クロスジギンポ / 鰭かじり / 卵食 / ホンソメワケベラ |
研究開始時の研究の概要 |
サンゴ礁にすむニセクロスジギンポは、掃除魚ホンソメワケベラとそっくりの体形・体色をしており、脊椎動物の中でもっとも精巧な擬態として知られている。研究代表者は37年前に沖縄県瀬底島で本種の摂餌行動と食性に関する定量的野外調査を実施し、この擬態の進化に関する仮説を提唱したが、未だ実証されていない。本研究では、瀬底島より南方に位置し、餌条件が異なる宮古島との地域間比較、及び、唯一の同属種で擬態していないクロスジギンポとの種間比較により、掃除魚擬態の真相を解明する。
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研究成果の概要 |
掃除魚ホンソメワケベラによく似た体色・体形をもつニセクロスジギンポ(擬態種)の擬態効果を検証するため、本種及び同属のクロスジギンポ(非擬態種)の個体数変化と摂餌行動を沖縄県宮古島のサンゴ礁で観察し、2種間及び地域間で比較した。擬態種の生存率は非擬態種の倍以上であったが有意差はなく、保護擬態の効果は実証できなかった。擬態種は体長に関わらず、小魚の尾鰭かじりとスズメダイ類の卵食をしていた。これらは非擬態種ではみられず、鰭かじりにおける攻撃擬態の効果が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニセクロスジギンポの掃除魚擬態については、保護擬態と攻撃擬態の効果が示唆されてきた。本研究ではデータ数が不十分ながら、擬態種の生存率が非擬態種よりも高い可能性が初めて示された。攻撃擬態についてはこれまで小型個体において実証されていたが、本研究では大型個体においても効果があることが初めて示された。掃除魚擬態は、古くから一般ダイバーなどにも興味をもたれてきた現象であるが、内容を誤解されている場合が少なからず見受けられ、本研究により正しい知識の周知が期待される
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