研究課題/領域番号 |
19K06882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
村上 誠祥 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (00831025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 意思決定 / 歩行誘発野 / 神経回路 / 電気生理学 / 光遺伝学 / 行動タイミング / 高次運動皮質 / 遅延報酬課題 |
研究開始時の研究の概要 |
より多くの報酬・富を得るために、適切な行動を適切なタイミングで遂行することは、脳の重要な機能である。過去の研究から、互いに神経連絡を持つ複数の脳領域が行動選択時の意思決定に関与することが示唆されてきたが、これらの脳領域の神経活動がどのように統合され、最終的に行動出力を制御するのか、そのメカニズムは明らかになっていない。本研究では、遅延報酬を待ち続けるか待つのを諦めるかの選択を迫る行動課題を用い、課題遂行中の動物からの神経活動記録・操作により、上記の問題に迫る。ここで研究するような行動選択は、衝動性障害などの精神疾患とも関連があり、このような精神疾患の病態生理を理解することにもつながると考える。
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研究成果の概要 |
本研究では遅延報酬を我慢して待つか、諦めるかの意思決定において、意思決定に関与する脳領域の活動が最終的に運動出力にどのように影響を与えるのか調べる目的で研究を行った。 まず、頭部固定マウスが、大量の遅延報酬を我慢して待つか諦めて少量の報酬を取るかの選択を行う行動課題を確立した。次にこの課題で用いる行動出力である「歩行運動」に関与する中脳脳領域を同定した。さらに、複数の意思決定関連領域がこの中脳の歩行誘発領域に連絡していることを明らかにした。 本研究により、遅延報酬を動かずにじっと待つか、諦めて歩き出すかの選択に関わる、「意思決定から運動制御に関わる神経回路」の候補を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物にとって歩行・走行運動を使って空間を動き回ることは、個体の生存や子孫の繁栄に極めて重要であり、様々なシチュエーションで歩行運動が関わる行動選択を適切に行っていくことは脳の最も重要な機能の一つである。本研究ではこの行動選択に関わる神経回路基盤を同定した。このことは、今後さらに行動選択時の情報処理メカニズムの詳細を明らかにするための礎となると考える。 また、歩行運動はパーキンソン病をはじめとした様々な神経疾患で影響を受ける運動である。歩行運動に関わる神経回路とそこへ神経連絡を持つ脳領域を明らかにした本研究は、これらの神経疾患の新たな治療法の開発に大いに役立つと考える。
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