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扁桃体グルココルチコイド受容体を介する遠隔恐怖記憶の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 19K06902
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分46010:神経科学一般関連
研究機関富山大学

研究代表者

井上 蘭  富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70401817)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード遠隔恐怖記憶 / 扁桃体 / グルココルチコイド受容体 / 記憶痕跡細胞 / ストレス
研究開始時の研究の概要

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、トラウマ体験時の音や匂いなどの感覚刺激と恐怖との連合記憶が一ヶ月以上経っても強いレベルで維持され、それがPTSDの主な症状である侵入記憶や過度な回避行動、不安を引き起こす手がかりとなることが知られている。本研究では、遠隔恐怖記憶の異常な増強が認められた遺伝子組み換えマウス(LAGRKO)を用いて、このような記憶異常の原因となる分子変化や神経回路網の機能、構造変化などを生化学的、分子生物学的、組織学的、光遺伝学的ならびに行動学的手法を用いて解析し、過剰な遠隔恐怖記憶の抑制に関わる脳内機構を明らかにする。

研究成果の概要

グルココルチコイド受容体(GR)を扁桃体外側核(LA)選択的に欠損させた(LAGRKO)マウスでは、音依存性の遠隔恐怖記憶が有意に増強される。遠隔恐怖記憶の制御に関わる内側前頭前野(mPFC)ならびに聴覚皮質(AC)の記憶痕跡細胞の動態を検討したところ、LAGRKOマウスのmPFCでは遠隔恐怖記憶の想起に関わる記憶痕跡細胞が恐怖条件付け時に多く形成され、ACでは逆に少なく形成されることが明らかとなった。これらの結果から、mPFCとACにおける記憶痕跡細胞の形成と変遷過程の異常が過剰な遠隔恐怖記憶の原因となる可能性が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

遠隔恐怖記憶の異常な増強を示すLAGRKOマウスを用いた研究により、mPFCとACにおける記憶痕跡細胞の形成と変遷過程の異常が過剰な遠隔恐怖記憶の形成に関与することを明らかにした。また、LAからACへ強い投射があることを初めて明らかにし、LA-ACシナプスの情報伝達異常が過剰な遠隔恐怖記憶を形成する原因の一つである可能性を示唆した。本研究の成果は、PTSDの発症・悪化防止のための新規介入療法の提示に繋がる医学社会的波及効果があるだけでなく、恐怖記憶調節の基本原理の理解に貢献する学術的な波及効果があると考えられる。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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