研究課題/領域番号 |
19K06909
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
片山 圭一 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20391914)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 介在神経 / Rhoファミリー低分子量Gタンパク質 / 細胞移動 / 神経細胞移動 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは、内側基底核原基の中でも最も未分化な前駆細胞が存在する脳室帯からRhoファミリー低分子量Gタンパク質(RhoA, Cdc42, Rac1)を欠損させると、介在神経の移動が障害されるが、移動中の介在神経で欠損させても移動は障害されないことを発見した。この研究成果は、Rhoファミリー低分子量Gタンパク質は介在神経の移動そのものには関与していないが、介在神経の前駆細胞が移動能を有した成熟介在神経へと分化するために必須のイベントが内側基底核原基の脳室帯に存在し、そのイベントにはRhoファミリー低分子量Gタンパク質が必須であることを示している。本研究ではその分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
介在神経の前駆細胞が移動能を有した成熟神経細胞へ分化する過程の分子機構を解明するために、内側基底核原基の脳室帯の神経前駆細胞からRhoファミリー低分子量Gタンパク質を欠損させ、発現が変化する遺伝子の探索を行った。Rac1を欠損させるとMid1が、Cdc42を欠損させるとRgccの発現がそれぞれ特異的に減少していたため、これら遺伝子のノックアウトマウスを作製した。Mid1の欠損では介在神経の移動は障害されなかったが、Rgccの欠損では介在神経の移動が障害された。従って、RgccはCdc42の下流で介在神経の前駆細胞が移動能を有する成熟細胞に分化する過程で重要な役割を果たしていると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Rhoファミリー低分子量Gタンパク質は介在神経の移動そのものには関与していないが、介在神経の前駆細胞が移動能を有した成熟介在神経へと分化するために必須であることが明らかにされてから10年以上が経っているが、そのメカニズムは不明のままであった。本研究では、Cdc42の下流で介在神経の前駆細胞が移動能を有する成熟細胞に分化する過程で重要な役割を果たしていると遺伝子としてRgccを同定した。本研究の成果により、介在神経の分化と移動のメカニズムを解明する研究が加速することが期待され、介在神経の異常によって生じる神経・精神疾患の発症機序の解明と治療法の開発に繋がることが期待される。
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