研究課題/領域番号 |
19K06948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
廣川 純也 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (40546470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 意思決定 / 知覚弁別 / 価値判断 / 光遺伝学 / 前頭前野 / 不確実性 / 線条体 / 視覚野 / 眼窩前頭皮質 / テトロード / ラット / メタ認知 / 頭頂連合野 / 皮質線条体投射 |
研究開始時の研究の概要 |
動物は状況の不確実性(見通しの悪さ)によって行動戦略を切り替える。動物はどのようにして「見通しが悪い」ことをメタ認知(俯瞰的に理解)し、それを行動に反映させるのだろうか?本研究はメタ認知に関わるとされる眼窩前頭皮質と、行動の固執性に関わる線条体の連絡経路に着目し、この経路が不確実性による行動戦略の切り替えに必要であるかを検証する。具体的には、光遺伝学的方法を用い、眼窩前頭皮質ー線条体投射細胞を同定した上で動物に報酬確率が変動する状況における感覚刺激判別課題を行わせ、それらの細胞群がどのような情報を表象し、その活動の操作が行動戦略のシフトに影響するかどうかを検証する。
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研究成果の概要 |
動物は、不確実な状況に応じて行動戦略を切り替えることができます。この研究では、動物がどのようにして知覚上の不確実性を認識し、それを行動に活かすのかを解明しました。具体的には、匂い判断に不確実性のある課題をラットで訓練し、前頭前野の神経細胞の活動パターンを解析しました。その結果、前頭前野には知覚判断の自信や報酬量、それらが統合された期待値の情報を持つ機能的神経細胞クラスターが存在し、その一部は解剖学的構造と密接な対応があることを発見しました。さらに、視覚弁別を用いた別の課題では、視覚野における神経応答とは異なるタイプの活動が視覚刺激に反応するかどうかの戦略に関連することを明らかにしました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、意思決定時における前頭前野の神経細胞群の機能的構成を明らかにし、少なくとも一部の機能的集団と神経投射の間に密接な対応関係があることを示しました。この発見により、例えば、本研究で同定された神経回路(前頭前野→線条体投射)を標的とすることで、意思決定に障害を示す依存症などの精神神経疾患を、より効果的に治癒する方法の開発につながると考えています。また、視覚野において視覚応答を示さない神経細胞の活動が行動戦略に重要な役割を果たしていることを示し、視覚野が単純な視覚情報処理を超えた役割を果たしていることを示した。
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