研究課題/領域番号 |
19K06999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東北大学 (2020-2021) 名古屋市立大学 (2019) |
研究代表者 |
山越 博幸 東北大学, 薬学研究科, 助教 (30596599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | カドコッシラクトン / 全合成 / 酸化型テルペノイド / ラジカル環化反応 / 青色LED / アイルランドークライゼン転位 / 光学分割 / テルペノイド / 可視光レドックス触媒 / 第四級不斉中心 |
研究開始時の研究の概要 |
伝統薬成分カドコッシラクトンAの全合成研究を通して、酸化型トリテルペノイドの合成に利用可能な新規合成戦略の実効性を実証することが本研究の目的である。解決すべき最大の課題として、分子間[4+3]付加環化反応による7員環(C環)形成を伴うフラグメントカップリング(B+DE)を設定した。その基質となるB環フラグメントに関してはジインの還元的環化反応、DE環フラグメントに関しては、可視光レドックス触媒を用いる脱炭酸ラジカルカスケード反応による縮合環構築を鍵として合成する。その後、C4位とC9位の第四級不斉中心の構築、閉環メタセシスによるラクトン環形成などを経て、全合成を達成する計画である。
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研究成果の概要 |
カドコッシラクトンAの全合成に向けて、本研究では二つのフラグメント(B環、DE環)の合成を達成した。B環フラグメントは、市販の3-ブチン-1-オールからSharplessエポキシ化、ビスプロパルギルエーテルの還元的環化反応など12工程を経て導いた。一方、DE環フラグメントの合成は、独自のキラル合成ブロックから16工程で行なった。鍵工程として、アリルスルホンのラジカルカスケード反応(脱炭酸、1,4-付加、環化、フラグメンテーション)によるヒドロインダン骨格の立体選択的構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
C17位酸化型トリテルペノイドには顕著な生物活性を示す化合物が含まれることから、本化合物群を合成する手法の開発は創薬化学的に重要である。本研究では、ラジカルカスケード反応を鍵として、同群化合物の合成上の課題であるヒドロインダン骨格の立体選択的構築を可能とする新たな合成戦略を提示した。また、その過程でラジカルカスケード反応の立体選択性に関して、合成研究ならではの新たな学術的知見が得られた。以上の成果は将来的に、カドコッシラクトンAをはじめとするC17位酸化型トリテルペノイドを用いた創薬化学研究に利用されることが期待される。
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