研究課題/領域番号 |
19K07009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
正田 卓司 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 室長 (60435708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アンタゴニスト / TNBC / エストロゲン受容体 / SERD / 選択的エストロゲン受容体分解薬 / 乳がん / 医薬分子設計 |
研究開始時の研究の概要 |
エストロゲン受容体(ER)は全乳がんのおよそ70%で過剰発現しているタンパク質であり,ER陽性乳がん治療薬としてERアンタゴニストが有効である.申請者は,ERアンタゴニストの副作用を抑え,かつより強力な乳がん治療薬を開発するには,化合物によってERを分解することが有効であると考え,これまでに選択的エストロゲン受容体分解薬(Selective Estrogen Receptor Down-regulator,SERD)の開発研究を行ってきた.本研究では,SERD開発を効率的に行うための化合物デザイン法の確立と経口投与可能な薬剤の開発および他の核内受容体への応用可能性の検討を行う.
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研究成果の概要 |
近年,ERβがトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の増殖に関与している可能性が示唆されたことから,ERβ選択的アンタゴニストは,TNBCの分子標的になると考えた.ERβのリガンドであるWAY-202196に長鎖アルキル基を導入したWC10をデザインし,7ステップで合成した.WC10はWAY-202196と同様にERβに対する高い選択性を示した.また強制発現系においてERβ選択的なアンタゴニスト活性を示した.さらにMDA-MB-231細胞に対する細胞増殖抑制効果を示した.WC10はERβ選択的アンタゴニストとして,TNBCに対する分子標的治療薬になる可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は予後不良で知られる乳がんであり,治療に有効な分子標的の探索が精力的に行われています.近年,ERβが分子標的になりうることが報告されたことから,我々の知見を基に,新規のERβアンタゴニストの開発を行いました.本研究でデザイン合成したWC10はTNBCの細胞に対し細胞増殖抑制効果を示したことから,TNBCの治療薬になる可能性が得られました.
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