研究課題/領域番号 |
19K07078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
中川 宏治 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (80360949)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PIAS1 / HIF-1 / 低酸素応答 / 転写制御 / SUMO化修飾 / がん悪性化 / がん細胞の悪性化 |
研究開始時の研究の概要 |
核内において転写制御因子として機能するPIAS1は、前立腺がんなどのがん種において過剰発現していることが報告されており、がん細胞の悪性化に関与していると考えられるが、その詳細や分子メカニズムについては不明である。本研究では、がん細胞の悪性化を促進する低酸素応答において中心的な制御因子として機能する転写因子HIF-1とPIAS1の相互作用に着目し、PIAS1がHIF-1依存的な遺伝子発現の制御を介して低酸素応答にどのような影響を及ぼすかを分子・細胞レベルで解析することにより、がん細胞の悪性化におけるPIAS1の役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、転写制御因子PIAS1が低酸素誘導因子HIF-1依存的な遺伝子発現に及ぼす影響を解析した。その結果、PIAS1は、HIF-1αの転写活性の増強を介して、HIF-1依存的な遺伝子の発現を正に制御することが判明した。また、PIAS1は、HIF-1αと結合し、HIF-1αのSUMO化修飾を促進することが分かった。さらに、PIAS1は、HIF-1αとアセチル化酵素p300の結合を増強することが示された。以上の結果から、PIAS1は、SUMO E3リガーゼ活性依存的にHIF-1αの転写コアクチベーターとして機能することが新たに明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、PIAS1によるHIF-1α依存的遺伝子発現の新規制御機構が明らかとなった。PIAS1は、前立腺がんや多発性骨髄腫などで発現の上昇が報告されており、また、HIF-1は、低酸素適応応答反応を誘導してがん細胞の悪性化に関与することから、PIAS1によるHIF-1依存的な遺伝子発現の増強は、がん細胞の悪性化を促進している可能性が考えられる。本研究から得られた基礎的な知見を基に、PIAS1のがん細胞の悪性化における役割を解明することができれば、この経路を標的とした新規の診断法や分子標的治療薬などの開発につながると期待できる。
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