研究課題/領域番号 |
19K07082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
深見 達基 金沢大学, 薬学系, 准教授 (00532300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 薬物代謝 / 脂質代謝 / 加水分解 / 加水分解酵素 / 薬物動態 / 毒性発現 / プロドラッグ |
研究開始時の研究の概要 |
加水分解酵素アリルアセタミドデアセチラーゼ (AADAC)は様々な医薬品の脱アセチル化反応を触媒する。一方、医薬品、環境物質、食事由来成分や内因性化合物は、体内でN-アセチル基転移酵素(NAT)によりアセチル化されることでその性質が大きく変化する。これまでアセチル化反応を触媒するNATに注目され研究がなされてきたが、脱アセチル化を触媒するAADACもアセチル体の生成程度に寄与すると考え、AADACの機能解明により外因および内因性化合物の脱アセチル化を介した体内動態変化を理解し、毒性学的および病理学的意義を明らかにすることで、創薬および疾病治療に有益な基盤情報を構築する。
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研究成果の概要 |
肝臓や小腸に発現するアリルアセタミドデアセチラーゼ (AADAC)は構造内にエステルおよびアミド結合を有し、カルボン酸側がアセチル基である化合物を好んで加水分解する。本研究では、AADACがアセチル基を有する医薬品を特異的に触媒することをさらに明らかにするとともに、N-アセチルトランスフェラーゼ (NAT)によって生成する一部のアセチル代謝物も加水分解することによりNATに対して拮抗的な役割を果たすことも明らかにした。また、AADACの発現量を増減させた細胞やAadac遺伝子を欠損させたマウスを用いることにより、AADACは生理学的役割として脂質蓄積を抑制する機能を有することも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床で使用されている医薬品の約10%は加水分解されることで薬効を失ったり、獲得したりするだけでなく、毒性を発揮する原因物質が生成される場合もある。医薬品の多くはカルボキシルエステラーぜにより加水分解されるとされてきたが、近年開発された医薬品ではアリルアセタミドデアセチラーゼ (AADAC)により加水分解されるものも散見される。AADACの基質認識性や薬物動態に与える影響の解明は医薬品の開発および適正使用にて重要な情報源となる。また、AADACが脂質代謝に関与することも初めて実験学的に明らかにした。現在、生活習慣病の罹患者が増えていることからも、AADACの機能解明は大きな意味を持つ。
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