研究課題/領域番号 |
19K07092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
村田 富保 名城大学, 薬学部, 教授 (80285189)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | レギュカルチン / 肥満症 / 糖尿病 / 癌 / 神経変性疾患 / 骨粗鬆症 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は,レギュカルチン(regucalcin)が「癌細胞の増殖抑制作用」「神経細胞の保護作用」「脂肪分化の促進作用」「骨芽細胞の分化抑制作用と破骨細胞の分化促進作用」を有することを見出し,レギュカルチンの細胞調節機能に関する研究を進めている.本研究では,疾患発症メカニズムを解明するために,レギュカルチンの病態生理的役割を考慮して,レギュカルチンの機能異常が癌,神経変性疾患,肥満症,骨粗鬆症の発症につながることを明らかにしたいと考えている.さらに,レギュカルチンを標的とした疾患治療法の確立に向けた基礎研究も実施したいと考えている.
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研究成果の概要 |
(1)In vitroの共培養系で,多機能性タンパク質であるレギュカルチン(RGN)が,マクロファージから放出される炎症性サイトカインによって惹起される脂肪細胞の炎症反応を抑制することを見出した.さらに,RGNの発現誘導化合物がマクロファージを介した膵β細胞のアポトーシス細胞死を抑制した.(2)ヒトの腎臓癌,前立腺癌においてRGNの発現上昇が生存率の向上につながることを見出し,腎臓癌細胞や前立腺癌細胞にRGNを過剰発現させることにより癌細胞の増殖が抑制されることを見出した.(3)神経細胞のストレス応答反応の1つにストレス顆粒の形成があり,RGNがストレス顆粒の形成を制御することを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)RGNがマクロファージを介した脂肪細胞の炎症反応を抑制したことは,RGNを標的とした肥満症の新しい治療法の開発につながると考えられる.さらに,RGNがマクロファージを介した膵β細胞のアポトーシス細胞死を抑制したことは,RGNを基軸とした肥満性糖尿病の新しい分子病態機構を提唱することができた.(2)RGNが癌細胞の増殖を抑制する生体内因子であることを発見したことは,RGNを基軸とした癌治療を見据えた基礎研究が可能になった.(3)RGNが神経細胞のストレス顆粒の形成に関与していたことは,神経変性疾患の発症に対してRGNがストレス防御因子として機能するという新しい概念を提唱することができた.
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