研究課題/領域番号 |
19K07093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
浦野 泰臣 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (00546674)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 脂質代謝 / 細胞死 / ACAT (SOAT) / ドラッグリポジショニング / 24S-hydroxycholesterol / 小胞体ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
コレステロールのエステル化酵素であるACAT1選択的阻害剤K-604が、脳特異的オキシステロールにより誘導される神経細胞死を抑制することや、アルツハイマー病(AD)発症に関わるアミロイドβ産生を減少させることを明らかにしてきた。そこで本研究では、細胞死やアミロイドβ産生に対するK-604の詳細な阻害機構の解明を目指し、我々がこれまで樹立してきた方法を用いて解析する。またオキシステロールが引き起こす非典型的な細胞死誘導機構について小胞体ストレス応答という観点から明らかにすることを目的とする。本研究によりK-604のドラッグリポジショニングとして、前臨床試験に進むための基盤研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では脳特異的酸化脂質である24S-hydroxycholesterol(24S-OHC)誘導性の神経細胞死は、24S-OHCのエステル化依存的に細胞ストレスによって誘導される統合的ストレス応答を活性化させることで引き起こされることを見出した。またAcyl-CoA:cholesterol acyltransferase 1(ACAT1)選択的阻害剤K-604がアミロイドβ(Aβ)産生酵素の基質であるC99を分解に導くことで、アルツハイマー病発症に関わるAβ産生を減少させることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー病の根本治療薬は現在でも開発は成功しておらず、世界的な問題となっている。ACAT1の選択的阻害剤であるK-604は、これまでのアプローチと全く異なる新たな視点から、アルツハイマー病態に関与するAβ産生の抑制、さらにオキシステロール誘導性細胞死の抑制という相乗的な効果をもつことが示され、発症を予防且つ改善する治療薬の開発を目指す点において有望な治療薬となる可能性をもつことが考えられた。また、学術的な知見としてオキシステロールが統合的ストレス応答を引き起こすことを明らかにした。
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