研究課題/領域番号 |
19K07112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
泉 安彦 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (60456837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | パーキンソン病 / ドパミン神経 / 線条体 / インテグリン / 細胞移植 / ドパミンニューロン / 細胞接着分子 / ドパミン神経投射 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病を真に克服するためには、黒質-線条体系ドパミン神経投射を再生することが求められる。本研究では、幹細胞由来ドパミンニューロンをパーキンソン病モデル動物の黒質に移植し、ホストの神経回路に組み込まれた黒質-線条体系ドパミン神経投射の再生を目指す。申請者はこれまでに、細胞接着分子であるインテグリンα5β1がin vitroでドパミンニューロンによる線条体神経支配を促進することを明らかにした。そこで、インテグリンα5β1の機能を遺伝学的及び薬理学的に高めることが、黒質に移植したドパミンニューロンが線条体神経と優先的にシナプス形成して、パーキンソン病様症状改善に寄与するか検証する。
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研究成果の概要 |
幹細胞由来ドパミン神経の移植はパーキンソン病の有望な治療戦略である。我々はドパミン神経による線条体支配に細胞接着分子インテグリンα5β1が関与することを示したので、インテグリンα5過剰発現ドパミン神経のパーキンソン病モデルマウスへの移植効果を検討した。インテグリンα5遺伝子をノックインしたマウス胚性幹細胞の作製に成功し、ドパミン神経へと分化させた。パーキンソン病モデルマウスに移植したが、生着数はごく僅かで、パーキンソン病様症状の改善には繋がらなかった。実際、インテグリンα5ノックインES細胞のドパミン神経への分化効率は低く、さらなる分化誘導方法・移植術について検討する必要があることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幹細胞由来細胞の移植治療において、現在は、遺伝子変異の無い(無傷な)細胞移植が求められている。本研究のように、移植細胞の機能を高めるという考え方は、既存の概念からのパラダイムシフトを提示するものである。インテグリンα5β1の機能を高めることで黒質-線条体系ドパミン神経投射を再生することができれば、パーキンソン病に対して副作用が少なく治療効果が高い細胞移植療法に繋がる可能性がある。しかし、本研究の結果のように幹細胞は株ごとに異なる挙動を示すこともあるため、遺伝子操作した幹細胞株ごとでの分化条件の調整が必要であることが示された。
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