研究課題/領域番号 |
19K07192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 就実大学 (2020-2021) 岡山大学 (2019) |
研究代表者 |
北村 佳久 就実大学, 薬学部, 教授 (40423339)
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研究分担者 |
浅沼 幹人 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00273970)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 抗がん剤 / 不安 / AC療法 / 神経新生 / セロトニン / キヌレニン / セロトニン1A受容体作用薬 / ドキソルビシン / シクロホスファミド / 化学療法 / セロトニン神経系 / キヌレニン経路 / セロトニン2A受容体 / セロトニン1A受容体 / 5-HT2A受容体 / 5-HT1A受容体 / 精神機能 / ストレス脆弱性 |
研究開始時の研究の概要 |
実臨床においてがん患者における不安症状、うつ症状などの精神症状についてはよく知られた事実である。この精神機能低下は患者のQOLに悪影響を及ぼしているにも関わらず、適正な薬物治療が行われていない現状である。 一方、申請者らは従来から精神疾患と深く関連している「セロトニン2A受容体機能亢進仮説」の側面からの研究を行い報告してきた。このセロトニン2A受容体機能亢進仮説がさらに進展することにより、抗がん剤により誘発される精神機能低下に対する薬物療法の開発は加速的に進んでいくと考えられる。さらに、キヌレニン関連物質の関与は全く不明であることから、精神機能低下の病態像として新たな理論展開も期待される。
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研究成果の概要 |
本研究ではがん患者の精神的負担の原因として抗がん剤投与による”ストレス脆弱性”の病態を想定し研究を実施した。実験にはラットを用い、乳がんの標準的化学療法であるドキソルビシンとシクロホスファミドのAC療法を実施し検討した。その結果、抗がん剤投与により不安症状を示し、その病態にはセロトニン2A受容体機能の亢進作用、すなわち”ストレス脆弱性”に陥ることを明らかにした。この不安症状は従来の抗不安薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬投与では悪化すること、さらにこの不安症状にはセロトニン1A受容体作用薬が有効であることを明らかにした。今後のがん患者の精神的負担の軽減に貢献できると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人の3人に1人はがんで亡くなる。また、がんと診断を受けた患者の多くは精神的な負担を強いられ、抗がん剤をはじめとした治療の拒否へともつながる。本研究では抗がん剤は不安症状といった精神的な負担を誘発することを明らかにした。その原因は中枢神経系の機能低下によるものであり、ストレスに弱い脳になることを明らかにした。また、治療薬も明らかにし、今後益々増加するがん患者の健全な精神機能の維持に貢献できた。
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