研究課題/領域番号 |
19K07195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 第一薬科大学 (2021-2023) 熊本大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
今井 輝子 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (70176478)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 関節液 / パラオキソナーゼ / ブチリルコリンエステラーゼ / 加水分解活性 / 病態診断 / エステラーゼ / 病態解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は変形性膝関節症の病態進行に関する新規評価方法の確立を目的とする。変形性膝関節症は病態初期から関節水腫の自覚症状があり、関節液は治療のために抜き取られ廃棄される。関節液は滑膜細胞で生成されるとともに、血管透過性の亢進に伴って血漿成分が移行して、その量が増加する。関節液には様々な血漿成分が移行・蓄積し、病態進行に応じて組成が変動する。本研究では、血漿由来のエステラーゼに着目し、廃棄される関節液を利用して、関節液中のエステラーゼ活性およびタンパク質としての存在状態と病態進行との相関を見出し、病態評価パラメータを設定する。
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研究成果の概要 |
変形性膝関節症(OA)の病態進行の診断は、関節のX線画像が利用され、グレードⅠからⅣに分類される。これまでバイオマーカーの探索研究がなされているが、滑膜の炎症に伴って貯留する関節液に注目されたことはない。本研究では、関節液の構成成分である血漿に由来するブチリルコリンエステラーゼ(BChE)とパラオキソナーゼ1(PON1)の活性及び会合状態と病態グレードとの相関を調べた。その結果、関節液中のPON1活性がグレードⅠからⅡへの進行で約25%低下することが明らかとなり、OA初期段階の診断補助としての関節液中のPON1活性測定の有用性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性膝関節症(OA)は国内では、2000万人以上の患者がいると推定され、その病態進行は主にX-線画像診断による。OAの進行は極めて緩徐であり、初期段階の診断は予後を左右するが、OA初期は骨形態変化が乏しくX-画像診断が難しい。本研究で得られた初期段階での関節液中のパラオキソナーゼ1の活性低下は、新しい診断基準として期待できるとともに、治療目的で関節液を採取した際に測定するため、新たな患者への負担なく測定の頻度が増やせる特徴もある。
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