研究課題/領域番号 |
19K07206
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
田中 祥子 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (50328556)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 重症筋無力症 / 制御性T細胞 / エピジェネティック制御 / プレシジョンメディスン / 重症筋無力症患者 |
研究開始時の研究の概要 |
MGでは眼瞼下垂,複視などの眼症状,四肢・頸筋の筋力低下,構音障害,嚥下障害が認められ,重症例では呼吸障害を来す.本研究では,このようなMG症状を軽減あるいは消失させる治療法や再発予防策を確立する.申請者らは,MG患者末梢におけるTreg細胞数が低下していることをすでに明らかとしている.そこで,MG患者におけるTreg細胞の分化あるいは抑制機能を制御する遺伝子に着目し,自己免疫寛容の誘導を目的とした治療の有用性について明らかとする.MG患者PBMCを用いて,Treg細胞に関連するゲノム情報あるいは分子情報を解析する.過剰な自己免疫応答を制御するために有効な治療法を探索する.
|
研究成果の概要 |
重症筋無力症(MG)患者における免疫抑制薬によるエピゲノム制御と治療応答性との関連について検討した.MG患者における末梢血単核細胞由来制御性T(Treg)細胞では,FOXP3遺伝子のメチル化レベルが健常者に比べて高く,免疫異常に寄与している可能性が考えられた.一方,FOXP3の恒常的な発現を維持する脱メチル化酵素TET2との関連は見られなかった.CD4+T細胞およびCD19+B細胞におけるIL-10産生は,治療応答性のみならず CD4+CD25+Treg細胞の割合およびガラクトース欠損IgG抗体産生に影響を及ぼす可能性が示唆された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりMG患者Treg細胞の分化誘導にFOXP3遺伝子のメチル化制御が有用である可能性が示唆された.抗炎症性サイトカインであるIL-10がTreg細胞の誘導に関与するとともに,MG患者由来IgGにおけるガラクトース欠損のレベルとの関連が明らかとなった.自己免疫疾患における分子標的薬による治療戦略の構築に,末梢血免疫細胞のタイピングに基づくプレシジョンメディスンの可能性を示したものと思われる.
|