研究課題/領域番号 |
19K07219
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
矢野 育子 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (50273446)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リスペリドン / 妊婦 / 新生児 / PBPK / アルプラゾラム / ブレクスピプラゾール / フェンタニル / パリペリドン / PBPKモデル / 特殊集団 / 薬物離脱症状 / 妊娠 / 抗てんかん薬 / 薬物動態 |
研究開始時の研究の概要 |
妊産婦に継続投与する可能性が高く,妊娠時に薬物動態の変動が大きいことが報告されている新規抗てんかん薬であるレベチラセタムとラモトリギンを対象に,生理学的薬物動態モデル解析や実臨床データの母集団薬物動態解析を行い,妊娠週齢に応じた血中濃度の変動を予測する。さらに,文献データを用いたモデル基盤メタアナリシスの手法を用いて、妊娠時の薬物動態変動モデルを構築する。これらの解析結果をもとに,新規抗てんかん薬の妊娠時の薬物動態変動に応じた個別投与設計の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
妊娠経過に伴う生理学的・薬物動態学的変化並びに新生児における臓器の発達がリスペリドン及びその活性代謝物であるパリペリドン薬物動態に与える影響について,生理学的薬物動態(PBPK)モデルを構築した。PBPKモデルによって,成人,小児並びに妊婦における両薬物の血中濃度を精度よく予測することができた。また感度分析の結果,アルブミン濃度の低下やCYP2D6活性の上昇,GFRの上昇及び胎児胎盤体積の増加が妊娠に伴う薬物動態変動の要因であることを定量的に示した。新生児のGFR予測においては,RhodinやSchwartzのモデルに比べて,Symcypモデルが優れていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬物血中濃度データを得ることが困難である妊婦や新生児における薬物動態を予測することは,安全かつ有効で科学的な投与設計を行う上で必須である。PBPKモデルは,薬物に関する基礎パラメータや生理学的パラメータに関する文献情報をもとに,薬物血中濃度を予測する手法である。本研究は,妊婦にも使用されることがある抗精神薬であるリスペリドンとパリペリドンの臨床データに即したPBPKモデルを構築したものである。PBPKモデルを用いることで,実臨床データが少ない特殊集団の薬物動態変動要因を明らかにし,精密医療に生かすことができることを示したことに,本研究の学術的・社会的意義がある。
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