研究課題/領域番号 |
19K07223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
宮元 敬天 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (20619481)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 低体温療法 / 抗MRSA薬 / バンコマイシン / テジゾリド / 組織中濃度 / 組織分布 / PK/PD |
研究開始時の研究の概要 |
体温管理療法の一つである低体温療法は心停止蘇生後に生じる脳の機能障害を予防する数少ない治療法である。しかし、低体温という通常とは違う環境におかれるため、免疫力が低下し、細菌感染を起こしやすくなる。そのため、感染の予防目的で抗菌薬が投与されるが、抗菌薬の体内での動きも低体温時に変化するため、最適な投与を行うためにはその変動要因を明らかにする必要がある。 そこで、本研究では抗菌薬の中でもMRSAに使用する薬剤の低体温時における体内での動きを評価し、その変動要因を解明することで抗MRSA薬の至適投与を行う基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
脳梗塞や心停止蘇生後患者や低酸素性虚血性脳症の患児に対し、脳保護効果を期待して適応される低体温療法中に生じるMRSA感染症に対し用いられる抗MRSA薬の投与最適化を行うために、低体温時に抗MRSA薬の体内での動きがどのように変化するかを解析した 今回は汎用されるバンコマイシンとバンコマイシンとは排泄過程が異なるテジゾリドについて解析を行った。バンコマイシンは腎臓からの排泄が減少することで血液中の濃度が低体温時に上昇することが明らかになった。テジゾリドについても同様に低体温時に血液中濃度が上昇した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内で承認されている抗MRSA薬は少ない。さらに不適切な投与により薬への耐性を示す耐性菌が生じることが知られており、これにより使用可能な薬がなくなってしまうという問題がある。このような事態を引き起こさないためにも投与の最適化が求められるが、正常ではない特殊な環境に置かれた患者における薬の体の中での動きについては明らかになっていない。 本研究において低体温がバンコマイシンやテジゾリドに与える影響が一部明らかになった。さらに、臓器組織での濃度がどのように変化するかを明らかにしたため、投与最適化を行うための基礎的情報が得られたと考えられる。
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