研究課題/領域番号 |
19K07247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
竹林 公子 (鈴木) 広島大学, 両生類研究センター, 研究員 (00397910)
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研究分担者 |
鈴木 厚 広島大学, 両生類研究センター, 准教授 (20314726)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 神経誘導 / 頭部形成 / BMP / Wnt / 神経形成 / ツメガエル / ダウン症・全前脳胞症 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症はヒト21番染色体トリソミーの先天異常で、その発症機構は不明であり有効な治療法もない。私達はBiz/Zbtb14がBMPシグナルを抑制し、Wntシグナルを促進して後方神経を形成する事、さらにヒト21番染色体上のBiz associated protein (Bap)遺伝子がBiz/Zbtb14と協調的に働き神経誘導を促進する事を発見した。これらの遺伝子は全前脳胞症の原因遺伝子座にも位置し、胚発生期の神経形成を調節し病態に寄与する可能性が高い。本研究ではダウン症および全前脳胞症の発症メカニズムの解明を目的として神経形成におけるBapとBiz/Zbtb14の機能的な相互作用と生理機能を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究は神経形成におけるBiz (BMP inhibitory zinc finger)/zbtb14とBiz結合因子 (Biz-associated protein, Bap)の機能的な相互作用、およびBMP・Wntシグナルネットワークに対する作用機序を解析し、ダウン症と全前脳胞症の発症メカニズムを解明することを目的としている。私達はBapがBiz/zbtb14と協調して神経形成を促進するだけでなく、神経組織の前後軸パターン形成に必要不可欠であることを明らかにした。さらに共免疫沈降法を用いて解析した結果、ヒトの場合と同様にツメガエルのBapとBiz/Zbtb14が結合することを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Biz/Zbtb14と結合するBapが、Biz/Zbtb14と協調的に働いて神経誘導を促進する事、およびBapが神経組織の前後軸形成に必要不可欠である事がわかった。興味深いことにヒトのBapはダウン症の原因となる21番染色体の遺伝子であり、ヒトのBapとBiz/Zbtb14は、ともに脳形成異常を示す全前脳胞症の原因遺伝子座に位置する。BapとBiz/Zbtb14は発生初期の神経形成を制御することによって、ダウン症の脳形成不全と全前脳胞症の発症に関与する可能性がある。今後、初期神経発生の知見が豊富なカエル胚を用いて、BapとBiz/Zbtb14の協調作用を詳細に調べるための基盤構築に成功した。
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