研究課題/領域番号 |
19K07283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
安部 力 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10585235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 前庭系 / 可塑性 / 交感神経 / 副交感神経 / 唾液 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者や帰還後の宇宙飛行士では前庭器の機能低下による平衡機能障害や起立性低血圧が問題となっており,これには前庭系可塑の関与が示唆されている。しかし,可塑のメカニズムやそれが引き起こす生理機能調節力低下(デコンディショニング)の全容が不明であるため,障害や症状に対する効果的な予防法やリハビリテーション法が確立されていない。本研究では,前庭系可塑のメカニズムを解明し,生理機能調節力低下への対策を確立するために,ヒトや動物を対象に研究を行う。さらに,JAXAの「きぼう」利用フィジビリティスタディを通じて,宇宙空間での自律神経デコンディショニングについても調べる。
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研究成果の概要 |
高齢者や帰還後の宇宙飛行士では前庭器(耳石器・三半規管)の機能低下による平衡機能障害や起立性低血圧が問題となっており,これには前庭系可塑の関与が示唆されている。しかし,可塑のメカニズムやそれが引き起こす生理機能調節力低下(デコンディショニング)の全容が不明であるため,障害や症状に対する効果的な予防法やリハビリテーション法が確立されていない。本研究では,前庭系可塑による生理機能低下に前庭神経核のグルタミン酸作動性ニューロンが関与していること,また可塑防止に必要な前庭電気刺激パラメーターを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙空間では,筋・骨萎縮,心循環系の調節力低下,前庭機能低下などが起こることから,前庭系可塑のメカニズムを解明することで,高齢者に起こる様々な疾患の治療法を見つけることができる可能性がある。最近では,前庭系の可塑が平衡感覚機能不全や心循環器系の調節低下だけではなく,筋・骨代謝の低下や免疫不全にも関与していることが明らかになり始めてきた。このことから,前庭系の可塑メカニズム解明は多くの疾患の理解につながる可能性がある。さらに,前庭系電気刺激法で可塑の制御法を確立することができれば,宇宙飛行士だけではなく高齢者にみられる疾患や機能不全の治療にもつながることが期待される。
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