研究課題/領域番号 |
19K07287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
石橋 仁 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (50311874)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 生理学 / 神経科学 / 心臓神経節 / ブラジキニン / 副交感神経系 / 自律神経系 / 心臓神経叢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、不整脈を生じる神経ネットワーク機構を解明する過程において、申請者自身が発見した「心臓神経叢副交感神経ネットワークに対するブラジキニンの興奮作用」について詳細な解析を行うものである。これまでに、1) ブラジキニンは心臓表面に存在する副交感神経ニューロンを興奮させる、2) 節前線維から節後線維への情報伝達を増強する、という知見を得ている。本申請研究では、これらのブラジキニンの作用について、主として電気生理学的手法を用いた解析を行い、ブラジキニンの心臓神経叢における役割を解明する。
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研究成果の概要 |
心臓周囲に存在する神経叢におけるブラジキニンの役割について、ラット心臓神経叢標本にパッチクランプ法を適用して研究を遂行した。その結果、ブラジキニンがTRPCチャネルを活性化して膜電位を脱分極させるとともにKCNQ型カリウムチャネルを抑制することによって活動電位の発火頻度を上昇させることが明らかとなった。本研究で得られた知見は心臓機能を制御する副交感神経系に関するものであり、自律神経系による心臓機能制御機構の解明や不整脈発生の機序解明に向けた今後の研究に有益な情報になると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳や脊髄における神経ネットワークの機能に関しては膨大な量の研究が行われてきた。一方、心臓周囲の心臓神経叢ネットワークの機能に関しては、これまでほとんど研究が行われておらずその機能は不明であった。本研究の開始直前、研究代表者は、ブラジキニンが心臓神経叢ネットワークを興奮させることを発見した。本研究はそのメカニズムを解明するものであり、本研究の結果から、ブラジキニンがTRPCチャネルを活性化するとともにKCNQ型のカリウムチャネルを抑制することがわかった。本研究の成果は、今後の不整脈治療や新規薬物の開発に有益な情報となると考えられる。
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