研究課題/領域番号 |
19K07322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
塚原 完 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (00529943)
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研究分担者 |
松田 佳和 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (20377633)
羽二生 久夫 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (30252050)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 炎症 / ミクログリア / 環状ホスファチジン酸 / 細胞死 / リゾリン脂質 / アデニンヌクレオチド輸送体 / ミトコンドリア / ミクログリア細胞 / 生理活性脂質 / 脳血管疾患 / 受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化や生活習慣の変化に伴い、脳血管疾患の患者数は増加の一途をたどり、高齢者の寝たきりの大きな要因となっている。脳血管疾患に対する治療は、薬物療法、カテーテル治療、バイパス手術等がなされており患者の救命に貢献しているが、発作を発症してからの治療には充分な効果を発揮していない。本研究は脳血管疾患に対して新しい予防法・治療法を提案し、遅発性神経細胞死の抑制作用を持つ新規創薬の開発へ繋げるものである。
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研究成果の概要 |
脳海馬におけるミクログリアの活性化は神経炎症を引き起こし、神経細胞傷害に関与する可能性が示され、神経変性疾患の発症機序におけるミクログリア細胞の役割が注目されている。我々は神経機能性脂質の一つである環状ホスファチジン酸(cPA)の代謝安定体である2-カルバcPAに対するミクログリア結合タンパク質を同定した。nanoLC-MS/MS質量分析により明らかにされたタンパク質はアデニンヌクレオチド交換輸送体(ANT2)と呼ばれるミトコンドリア関連タンパク質であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身における慢性炎症は、脳内炎症を誘発し、認知機能を低下させる。これらの過剰な炎症作用がcPAにより抑制的に制御され、神経細胞死抑制効果をもたらすことを明らかにした。脳における免疫細胞であるミクログリアの活性化により引き起こされる脳内炎症が、周辺の神経細胞を損傷させ、認知機能を低下させることを我々は予想している。今回同定した新規標的分子はα-シヌクレインの凝集・蓄積などにも関与することが報告されていることから、cPAによる神経細胞傷害抑制作用がパーキンソン病やレビー小体型認知症の予防・治療薬への開発へもつながることが期待される。
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