研究課題/領域番号 |
19K07323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
飯島 幹雄 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (00305111)
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研究分担者 |
岸田 昭世 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50274064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | グリオーマ / 浸潤性 / 受容体 / MMP-2 / 浸潤能 / Wnt / RYK / MMP / Wnt-5a |
研究開始時の研究の概要 |
脳の神経細胞を支えるグリア細胞由来のグリオーマは、悪性化すると周囲組織への浸潤が激しく予後不良である。この高い浸潤能に重要な細胞外マトリクスの分解酵素MMP-2阻害薬は、臨床的実用化に成功したものはない。申請者らは、グリオーマにおけるMMP-2の発現亢進に、Wnt-5aと受容体RYKが必要であることを明らかにした。このシグナルメカニズムを明らかにできれば、高い浸潤能の阻害が可能となり、グリオーマの予後が改善される。そこで、新たに開発し特許申請したスクリーニング方法を用い、Wnt-5a/RYKシグナルメカニズムを明らかにする。これにより悪性グリオーマを標的とした、創薬に向けた基礎を構築する。
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研究成果の概要 |
グリオーマやエナメル上皮腫は高い浸潤能を特徴とするが、その浸潤機構については不明な点が多い。細胞外マトリックスの分解制御は、これらの治療ターゲットになり得る。MMP-2発現亢進が浸潤性を増悪させる。Rykは、グリオーマにおいて、Wnt-5a依存性のMMP-2発現増強に重要である。グリオーマの浸潤性に対する分子治療戦略の基礎構築のため、酵母two-hybrid法と断片化cDNAライブラリーを使用してRyk結合タンパク質候補を同定した。エナメル上皮種において、IL-1は微小環境と局所浸潤性の制御に重要である。破骨細胞由来の因子が、エナメル上皮種によるMMP-2産生を誘導することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高い浸潤能を特徴とするグリオーマやエナメル上皮種において、その浸潤能を制御できれば、病態の制御が容易になると考えられる。グリオーマ細胞でのWnt-5aによるRyk受容体を介したMMP-2発現上昇とエナメル上皮腫由来IL-1刺激による骨芽細胞由来の因子を介したMMP-2発現上昇が示された。これらのシグナル経路の詳細が明らかになれば、学術的意義のみならず、治療のための新たなターゲットが得られるという罹患者にとっての意義が提供できると思われる。
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