研究課題/領域番号 |
19K07344
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
曽根 正光 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (90599771)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 血小板 / シングルセル / 巨核球 / iPS細胞 / RNA-seq / シングルセルRNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
少子高齢化に伴うドナー不足や血小板不応症に対処するため、私たちはiPS細胞技術に基づく人工血小板製造システムの構築を目指している。これまでにiPS細胞から血小板前駆細胞である巨核球を誘導、不死化し、人工血小板を作製する事に成功しているが、その生産性は生体内におけるそれと比較して低く、産業化を目指す上で障壁となっている。その大きな原因が、不死化巨核球全体のうちごく一部のみが、細胞形態の変化を伴う成熟を行うという血小板産生能力の不均一性である。本申請では、細胞形態を指標としたシングルセルレベルでの解析により上記の課題を解決し、産業レベルの人工血小板生産法に繋げることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
私たちは以前に人工多能性幹細胞(iPS細胞)を分化することで得られた巨核球株に増殖を促進する遺伝子を導入し、不死化巨核球株imMKCLを作製していた。培養条件を変えるとimMKCLは成熟を開始し、proplateletと呼ばれる突起を伸ばして血小板を放出するが、その割合は低く、proplateletを形成するのは一部の細胞に限られていた。今回、proplateletを形成する細胞とそうではない細胞の間で網羅的な遺伝子発現の比較解析をシングルセルレベルで行い、両者の違いを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血小板製剤は止血が必要となる様々な局面で使用される不可欠な医療製剤であるが、現在は献血のみに依存している。また、使用期限が4日と短いことから将来において供給の不安定化が懸念される。私たちはこうした問題に対処するため人工血小板の産業的生産を目指して不死化巨核球株imMKCLを樹立した。しかし、imMKCLは成熟が不均一で一部の細胞しか血小板を放出しないことが、人工血小板の産業化を妨げている。今回の研究成果は、その不均一性の原因を解明する手がかりを与えるものと期待できる。
|