研究課題/領域番号 |
19K07370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
坂本 修士 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (80397546)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | RNA結合タンパク質 / 骨格筋萎縮 / 非翻訳RNA / 細胞融合 / NF90 / NF45 / Myomaker/Myomixer / 二本鎖RNA結合タンパク質 / 病態生理現象 / 筋分化 / NF90-NF45 / 骨格筋 / 筋成熟 / 筋分化因子 / miRNA / 筋未成熟 / 細胞融合促進因子 / 長鎖非翻訳RNA / microRNA / クロストーク |
研究開始時の研究の概要 |
生体には非翻訳RNAが多量に存在し、各非翻訳RNAがクロストークしながらセントラルドグマ(DNA→RNA→タンパク質)に影響を及ぼし高次生命現象を引き起こしていると想定される。しかしながら、この現象が実験的に証明されている例は僅かである。本研究では、二本鎖RNA結合タンパク質であるNF90-NF45が結合するmiRNA前駆体、lncRNA、mRNAに着目し、NF90-NF45が引き起こす骨格筋萎縮の分子機構を明らかにする。これらの解析を通じて、筋萎縮といった病態生理現象を引き起こすmiRNA-lncRNA-mRNAのクロストークを見出す。
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研究成果の概要 |
我々はこれまでにRNA結合タンパク質であるNF90とNF45の複合体(NF90-NF45)の過剰発現が骨格筋萎縮を引き起こすことを見出している。本研究により、当該萎縮の発症と骨格筋細胞融合のマスター因子であるMYMK/MYMXの恒常的発現との関連性が見出された。加えて、NF90-NF45を介して「lncRNA(pri-miR-378a)蓄積-miRNA(miR-378a-3p)産生低下-mRNA(MyoG mRNA)発現上昇」ネットワークと「筋分化マスター因子(MyoD)の転写活性能上昇」が協調し、病態生理現象の要因(MYMK/MYMXの恒常的発現)が生じる可能性を新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NF90-NF45の発現上昇による骨格筋萎縮は筋繊維の中心に核が局在する「中心核化」を呈する。この「中心核化」は、筋力低下等の病態を呈する「筋強直性ジストロフィー I型(DM1)」や「中心核病」等でも確認される。近年、DM1の生検においてNF90-NF45の発現上昇が確認されている(Sabater-Arcis et al. Mol. Ther. Nucleic Acids 2020)。従って、本研究で見出された「NF90-NF45の高発現による中心核化を伴う筋萎縮の新規分子メカニズム」は、筋疾患DM1及び中心核病の発症機序解明や治療薬開発等において有益な情報になり得るものと考えている。
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