研究課題/領域番号 |
19K07378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 久留米大学 (2021) 川崎医科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
嶋 雄一 久留米大学, 医学部, 教授 (80425420)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 精巣 / ライディッヒ細胞 / 分化記憶 / 脱分化 / DNAメチル化 / 単一細胞解析 / 遺伝子発現解析 / クロマチン構造解析 / 男性ホルモン / エピジェネティック / エンハンサー / 転写制御 / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
精巣ライディッヒ細胞は男性ホルモンを産生する細胞であり、胎仔期と成獣期では機能が大きく異なる。我々は最近、胎仔期に出現したライディッヒ細胞がいったん脱分化し、出生後に機能の異なる成獣型ライディッヒ細胞へ再分化することを明らかにした。またこの過程で、胎仔型ライディッヒ細胞において活性化されたNr5a1遺伝子の発現制御領域(エンハンサー)がエピジェネティック修飾を受けることにより、エンハンサー活性化の記憶(胎仔期の分化記憶)が出生後も保持されると考えられた。本研究では、エンハンサーに結合する転写因子の同定と機能解析を通じて、ライディッヒ細胞における胎仔期分化記憶保持の分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
ヒトを含む哺乳類では、胎仔期の精巣にライディッヒ細胞が出現し、男性ホルモンの産生を通じて胎仔のオス化を促す。胎仔ライディッヒ細胞は出生前後にいったん未分化状態に逆戻りし、その後思春期に至ると、再びライディッヒ細胞へと分化し、大量の男性ホルモンを産生することで、オスの生殖機能が成熟する。胎仔期のライディッヒ細胞は、未分化な状態に戻った時にも、ライディッヒ細胞としての分化の記憶を保持していると考えられることから、本研究では、分化の記憶がどのようにして保持されるのかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精巣ライディッヒ細胞の機能不全は、男性不妊症を引き起こすのみならず、更年期男性における男性ホルモンの低下(LOH症候群、性機能の低下に加え、意欲の低下やうつ症状も引き起こす)の原因ともなることから、男性の生活の質を低下させる原因となり得る。本研究の成果は、胎児期の環境(母体の喫煙や飲酒、環境物質への暴露など)が、どのような機構で、成熟男性の男性ホルモン低下を引き起こすのかを明らかにする手がかりとなる可能性がある。
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