研究課題/領域番号 |
19K07394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
松浦 憲 沖縄科学技術大学院大学, 神経回路ユニット, 技術員 (10625742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CCR4-NOT / 遺伝子発現制御 / 脳神経 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物の遺伝子発現制御においては、mRNAの翻訳・分解のバランス制御が恒常性維持や環境刺激依存的な変化をする上で鍵となる。CCR4-NOT(CNOT)複合体はmRNAの分解と翻訳抑制の二つの重要な働きを持つ。 神経細胞のRNA顆粒における転写後制御異常は、脆弱性X症候群など様々な神経・精神疾患の原因になっており、CNOT複合体の関与も疑われる。本研究では、先端的オミックス(包括的)解析を駆使する事により、神経細胞の遺伝子発現制御におけるCNOT複合体の作用機序やターゲット遺伝子、更にはその生理的機能の解析により、その破綻がもたらす障害・疾患の全体像解明を目ざす。
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研究成果の概要 |
CCR4-NOT(CNOT)複合体は転写後遺伝子サイレンシングにおいて主要な役割を果たし、mRNAの分解と翻訳抑制の二つの重要な働きを持つ。しかし、脳神経系におけるCNOT複合体の役割はほとんどわかっていなかった。本研究では、CNOT複合体の構成因子が前脳神経細胞で特異的に欠損したマウス系統を複数用い、遺伝子発現のオミックス(包括的)解析や行動実験を行った。その結果、これらのマウスは多動や学習障害などを示し、更にCNOT複合体が神経細胞におけるタンパク質品質管理にて役割を果たしている事が示唆された。これらの結果は、遺伝子発現制御機構の破綻がもたらす疾患の病因解明に役立つことが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、タンパク質翻訳の増大による神経ネットワークの過剰な興奮が自閉症に繋がる事が提唱されており、CNOT3が自閉症リスク遺伝子候補として同定された。更に、CNOT9の新規突然変異を持つ患者は発達・知的障害やてんかんを起こすことが報告されるなど、次々とCNOT変異疾患が明らかになっている。本研究の成果は、これまで分かっていなかったCNOT複合体の脳神経系における役割を、様々なCNOT変異マウスを用いる事により、どのような遺伝子変動があるか、どのような行動異常を呈するかなどを解明しており、脳神経系におけるCNOT複合体の遺伝子発現制御御機構の破綻による障害および疾患の理解に寄与する事が期待される。
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