研究課題/領域番号 |
19K07402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
瀧井 良祐 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00419558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 熱ショック応答 / 転写因子 / HSF / DNAプルダウン / 進化 / 転写 / DNAプルダウン法 / 染色体分配 |
研究開始時の研究の概要 |
熱ショック応答は、細胞内のタンパク質の質と量を制御する機構の1つであり、主に熱ショック転写因子(HSF)群によって、転写レベルで制御される。申請者はHSF1による転写制御機構の解明をめざし、進化的アプローチとプロテオーム解析を基盤としたHSF1に対する相互作用タンパク質の解析から染色体分配に関わるShugoshin (SGO)を同定した。SGOは本来は細胞分裂期での染色体分配に関わるが、予想外に間期(細胞分裂期外)で熱ショック応答の促進因子として働くことが示唆された。そこで、HSF1-SGOによる転写の促進機構の解明を目指し、疾患に対する治療のターゲットの提示を目標としている。
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研究成果の概要 |
研究代表者は、DNAプルダウンアッセイとプロテオーム解析を基盤とした手法により、HSF1転写複合体の構成因子を同定した。まずDNAプルダウンを行い、HSF1の転写活性と相関する約200の因子を同定した。その中でも染色体分配関連因子(Shugoshin2)に着目した。この因子は、熱刺激時にHSF1依存的にHSP70プロモーター領域へ呼び込まれることが分かった。熱依存的な細胞死についても、同因子のノックダウンは、強い細胞死の誘導とユビキチンタンパク質の蓄積の上昇が見られ、熱依存的なプロテオスタシスの維持に必要であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱ショック応答は、温熱ストレスによる応答機構というだけでなく、通常状態においてもこのストレス応答は弱いレベルではあるが、持続的に働いている。また応答機構が神経変性疾患やがんの発生および進展と関連することが知られる。つまり熱ショック応答の解明は、単なる熱ショック応答機構の解明だけでなく、神経変性疾患やがんの治療へとつながる。本研究課題では新たに、本来は染色体分配に関わるSGO2が熱ショック応答を制御するHSF1転写複合体の構成因子の1つであること、さらにSGO2がストレスによって蓄積するユビキチンタンパク質の除去に関わる因子であることを明らかにした。
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