研究課題/領域番号 |
19K07432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
中澤 匡男 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10345704)
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研究分担者 |
望月 邦夫 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10377583)
近藤 哲夫 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30334858)
大石 直輝 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90623661)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 甲状腺未分化癌 / 免疫チェックポイント / TIGIT / 甲状腺 / 未分化癌 / 免疫組織化学 / 免疫チェックポイント蛋白 / 免疫組織化学法 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺癌のほとんどが予後良好な分化癌である。甲状腺未分化癌の発生頻度は稀であるものの、全臓器の癌腫の中で最も予後不良なものの一つとして広く知られている。典型的な病理組織学像を示す未分化癌は多数の炎症細胞を含むことから、甲状腺分化癌や他臓器の癌とは異なる腫瘍免疫の背景を有している、と推測される。また、炎症細胞の種類も多彩である点からも、腫瘍細胞の増殖には複数の腫瘍免疫機構が作用していると思われる。この研究の目的は、甲状腺未分化癌における新しい腫瘍免疫メカニズムを明らかにすることであり、分子標的治療のターゲットになりうる分子の同定を目指したい。
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研究成果の概要 |
甲状腺未分化癌において新規の免疫チェックポイト受容体蛋白 TIGIT (T-cell immunoreceptor with immunoglobulin and tyrosine-based inhibitoty motif domains) の発現を免疫組織化学法を用いて検討した。比較対照として腺腫様甲状腺腫、濾胞腺腫、乳頭癌、濾胞癌、低分化癌を比較対照とした。また、C細胞由来の髄様癌を少数例検討した。結果、未分化癌症例の 54.8%、低分化癌の 25.0%、髄様癌の 80.0% に TIGIT 陽性像がみられた。また、TIGIT 陽性の未分化癌細胞の形態は多形性/巨細胞型に現局していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TIGITは新規の免疫チェックポイトである。PD-1、CTLA-4と同様、腫瘍免疫に対して抑制的に作用するが、これらのチェックポイント分子と比較すると検討が十分ではない。甲状腺癌では報告例がわずかで、とくに未分化癌では RT-PCR法による mRNA の報告が1編のみである。今回31例の未分化癌でのTIGIT蛋白の発現を免疫組織化学法を用いて検討した。その結果、分化癌では陰性だあったのに対し、約半数の未分化癌、低分化癌の1/4に発現が認められた。また、興味深いことにC細胞由来の髄様癌5例中4例が陽性であった。新たな甲状腺癌に対する腫瘍免疫の pilot study となることが期待される。
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