研究課題/領域番号 |
19K07455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柴 綾 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50708427)
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研究分担者 |
野口 雅之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00198582)
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研究期間 (年度) |
2021-01-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺腺癌 / アポトーシス / ミトコンドリア / OCIAD2 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでに浸潤性肺腺癌においてミトコンドリア(Mt)に局在するタンパク質OCIAD2が過剰発現していることを見出した。OCIAD2発現は患者予後と負に相関しており、腫瘍悪性化との関係が示唆される。本研究ではOCIAD2のMtにおける機能に焦点を絞り、OCIAD2を発現抑制した肺腺癌細胞を用いて増殖やアポトーシスに与える影響をin vitroで解析する。さらにアポトーシス誘導に着目し、OCIAD2が関わっている可能性を蛍光免疫染色、電子顕微鏡法、ELISA法などで検証する。最終的にはOCIA2機能の分子機序を明らかにし、浸潤性肺腺癌におけるOCIAD2過剰発現の機能的意義を見出す。
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研究成果の概要 |
OCIAD2は浸潤性肺腺癌において過剰発現する腫瘍特異性の非常に高い遺伝子である。患者予後とも負に相関し、肺腺癌の悪性化に何らかの機能を持つことが示唆されていた。 本研究を通してOCIAD2は複数の肺腺癌細胞においてミトンドリアの形態の維持に重要であることが明らかになった。さらにミトコンドリアの膜電位を安定化させることでアポトーシスを抑制している可能性が示唆され、多くのミトコンドリア局在タンパク質と結合していることも示された。特にVDAC1との相互作用は興味深く、今後はOCIAD2機能の分子機序をより詳細に解析したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
OCIAD2は浸潤性肺腺癌で高発現するミトコンドリア局在タンパク質であるが、その詳細な機能と分子メカニズムは明らかではなかった。本課題では、肺腺癌細胞でのOCIAD2の発現抑制が細胞増殖を抑制しミトコンドリア依存性アポトーシスを引き起こすことを見出し、その機能に重要と考えられる新たな結合タンパク質も同定した。今後は、OCIAD2が結合相手の1つであるVDAC1とどのように作用するかを解析し、この結合を阻害して腫瘍進展を抑制する治療戦略を開発したい。これにより、OCIAD2-VDAC1複合体またはOCIAD2-その他の結合相手を標的とした抗腫瘍薬が肺腺癌の有望な治療法となる可能性がある。
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