研究課題/領域番号 |
19K07479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
高娃 阿栄 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50643805)
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研究分担者 |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20577415)
朴 恩正 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (20644587)
島岡 要 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40281133)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 上皮再生 / 粘膜治癒 / トロンボモジュリン / 炎症性腸疾患 / オルガノイド培養 / DSS誘発腸炎モデル / オルガノイド / 腸管上皮 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎やクローン病を含む炎症性腸疾患はその病因がまだ解明されてないため、根本的な治療法がなく、“粘膜治癒”を目標した治療戦略は重要ともいえる。炎症性腸疾患の患者数は年々増加しており、より安全性・有効性・経済性の優れた薬剤の研究開発が望まれている。そこで、本研究では、腸炎マウスモデルと腸管上皮陰窩幹細胞オルガノイドを用いて粘膜治癒過程におけるトロンボモジュリンの効果及び作用機序を解明し、新たな治療標的候補としての可能性を提示する。
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研究成果の概要 |
腸管上皮オルガノイドを用いたin vitro実験系において、遺伝子組換え型可溶性トロンボモジュリン(rsTM)はオルガノイドの成長を有意に促進し、腸管上皮幹細胞と上皮細胞遺伝子群の発現を濃度依存的に上昇した。デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルを用いたin vivo実験において、rsTMはマウスの体重回復を促進し、組織学的にも腸炎抑制効果と延命効果を示すことが分かった。また、rsTMがLGR5陽性腸管上皮幹細胞の増殖と上皮分化を増強させ、粘膜治癒を促進することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、腸上皮幹細胞の生体外培養法が確立され、腸上皮の増殖と分化を制御するメカニズムが分子レベルで明らかにされてきた。しかし、炎症腸粘膜において上皮分化・再生がどのような仕組みで制御されているか、まだ不明な点が多い。そこで我々は、腸上皮幹細胞が誘導する上皮再生過程をin vitroで再現するオルガノイドを用い再生応答を司る分子を同定し、炎症性腸疾患の粘膜治癒を目指した検討を進めている。本研究では、リコンビナントトロンボモジュリンの腸管上皮幹細胞増殖・分化誘導を介した粘膜治癒促進効果を検討し、炎症性腸疾患に対する有望な治療薬となる可能性を提示した。
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