研究課題/領域番号 |
19K07487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川村 俊彦 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70301182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | NKT細胞 / 肝臓 / 肝炎 / α-galactosylceramide / レプチン / レプチンレセプター / 肝細胞 / alpha-galactosylceramide |
研究開始時の研究の概要 |
NKT細胞依存性マウス急性肝炎モデルにおいて、この肝炎発症時、早期から、食欲調節ホルモンであるレプチンの血中濃度が著しく上昇することを確認しており、この肝炎モデルの病態に、レプチンが関与すると推測している。本研究では、レプチンの、NKT 細胞依存性肝炎の病態に及ぼす影響と、そのメカニズムについて明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
糖脂質 a-galactosylceramideのマウスへの投与により誘導されるNKT 細胞依存性肝炎において、食欲調節ホルモンであるレプチンの血中濃度が上昇した。レプチン欠損 (ob/ob) マウスおよびレプチンレセプター欠損 (db/db) マウス、また、抗レプチン抗体および抗レプチンレセプター抗体を用いた解析により、レプチンは肝炎を悪化させた。そのメカニズムとして、NKT細胞がレプチンレセプターを発現し、レプチンにより直接活性化されTNF-aの産生が誘導されること、また、肝細胞もレプチンレセプターを発現し、レプチンが作用すると肝細胞のアポトーシスを誘導すること、が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レプチンが、直接あるいは間接的に NKT 細胞を活性化し、あるいは、肝細胞の細胞死感受性を調節し、肝炎の悪化に働くことが明らかになった。この急性肝炎モデルの治療法として抗レプチン抗体や抗レプチンレセプター抗体が候補となりうる。マウスのみならず、ヒトにおいても、免疫機序による急性肝炎が存在し、肝細胞破壊が大規模に起こると、劇症肝炎につながる場合もある。本研究は、臨床医学の観点からも、これらヒト急性肝炎の病態解明・治療法開発にもつながる。さらに、ホルモンによる急性炎症の制御など、ホルモンの新たな機能を探る契機にもなり、内分泌学・免疫学・炎症学・病理学の観点からも、学術的波及効果が大きいと考える。
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