研究課題/領域番号 |
19K07493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
小野 岳史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 国際感染症学, 助教 (20535182)
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研究分担者 |
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (70531391)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マラリア / マクロファージ / LPSプレコンディショニング / trained innate immunity / malaria / macrophage / immunological tolerance / 貪食細胞機能強化 |
研究開始時の研究の概要 |
極微量のLPSの3日間投与により、炎症反応を抑制しつつ貪食細胞活性が大幅に増強すること、大腸菌敗血症の予後が劇的に改善することをマウスで見出した。これはLPSプレコンディショニングというべき現象で、マラリア原虫感染の予後についても改善し得る可能性が予備実験で示唆された。本研究では、LPSプレコンディショニングによるマラリア感染の重篤化阻止を目標として、1) LPSプレコンディショニングがネズミマラリア原虫致死株感染における重篤化抑制機構の解明、2) LPSプレコンディショニングによる脳マラリア発症阻止の検討、3) 弱毒性LPSによる安全なLPSプレコンディショニング導入の探索、の3点を行う。
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研究成果の概要 |
LPSプレコンディショニングは生体の炎症反応を抑制しつつ、マクロファージの殺菌能、すなわち貪食能を増強させる非常に魅力的な感染防護対策で、細菌感染の予防に関して最近注目されている。マラリア原虫に対する自然免疫応答において、原虫の排除に働いているものの一つが貪食作用であることから、貪食能の亢進をもたらすLPSプレコンディショニングをマラリア重篤化阻止に応用可能か検討した。その結果、LPSプレコンディショニングを施すことによってマラリア原虫感染マウスの生存率の改善が認められ、骨髄由来のF4/80+ CD11b+ マクロファージの貪食能亢進がマラリア感染重篤化阻止に重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体の炎症反応を抑制しつつ、マクロファージの殺菌能を増強させるLPSプレコンディショニングは、多剤耐性菌の感染予防に有効であることが明らかになりつつある。マラリア感染制御においては薬剤耐性原虫の出現、マラリアワクチン開発の遅れ等の問題を抱えている。そのため、感染の回避や軽減化を含めた、抗マラリア薬に頼らない、しかも効力の強い重症感染症対策の確立が求められている。貪食能の亢進をもたらすLPSプレコンディショニングによって薬剤耐性マラリア感染の感染防護が可能になれば、海外渡航者における感染症防護に資する所が極めて大きい。
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