研究課題/領域番号 |
19K07543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
羽田 健 北里大学, 薬学部, 講師 (00348591)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | サルモネラ / 腸炎 / III型分泌機構 / エフェクター / 遅延型炎症 / 細胞死 / 遅延性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまでに、サルモネラ属細菌の病原性発現メカニズムを明らかにするため、本菌の最も重要な病原因子として知られるIII型エフェクターの機能解析を行ってきた。その結果、5つのT3SS-2エフェクターの欠失株を腸炎モデルマウスに感染させると、遅延型炎症が見られなくなることを見出し、さらにこの5つのうち炎症誘導に最も重要なエフェクターHを同定した。本研究課題ではエフェクターHの機能を解析することで、サルモネラの遅延型炎症誘導機構を明らかにする。本研究の成果により、サルモネラ属細菌の病原性発現メカニズムの理解が進み、新たな感染予防および治療法の開発に繋がるものと期待される。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、Salmonella enterica serovar TyphimuriumのT3SS-2エフェクタータンパク質Oによってマクロファージに非典型パイロトーシスが誘導されることを明らかとした。一方で、エフェクターOはCaspase-11非依存的細胞死の誘導にも寄与していた。またOが、マウスの結腸内容物、腸間膜リンパ節および脾臓における菌のカスパーゼ-11依存的な増殖に必要であった。これらのことから、エフェクターOがマクロファージ細胞死の引き金となる主要なT3SS-2エフェクタータンパク質であり、組織内での生存を助けるエフェクタータンパク質の1つであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で注目したOを含む5つのエフェクターはサルモネラがマクロファージに食菌された際に形成される小胞(Salmonella containing vacuole; SCV)の形成に関わると報告されている。このように病原体がマクロファージ内で特異的な小胞を形成することは、レジオネラ、ブルセラ、または結核菌などの細胞内寄生細菌の感染戦略として知られている。つまり、本研究により明らかにされる炎症誘導機構は、その波及効果として、サルモネラだけではなく、他の病原細菌の病原性解明の重要な情報となる。
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