研究課題/領域番号 |
19K07546
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
奥田 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70624245)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 薬剤耐性 / バイオフィルム / 黄色ブドウ球菌 / メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 / MRSA / 細胞壁 / 抗菌薬 / β-ラクタム / mecA / トランスグリコシラーゼ / メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) |
研究開始時の研究の概要 |
黄色ブドウ球菌は院内感染の主要な原因菌であり、敗血症や創部感染などの重篤な感染症を引き起こす。本菌による感染症を難治化させる要因として、耐性遺伝子の獲得・発現による薬剤耐性化とバイオフィルムと呼ばれる薬剤抵抗性の菌-マトリックス集合体の形成が挙げられる。研究代表者これまでに、黄色ブドウ球菌の薬剤耐性とバイオフィルム形成による薬剤抵抗性の両方に関与する因子として、細胞壁ターンオーバー因子を同定している。本研究は、細胞壁ターンオーバーと薬剤耐性・抵抗性がどのような分子基盤によって結びついているかを理解することで、黄色ブドウ球菌による難治性感染を効果的に制御するための基盤を確立するものである。
|
研究成果の概要 |
黄色ブドウ球菌の細胞壁ターンオーバーに関わる因子としてlytic transglycosylase(LT)であるIsaAとSceDが知られている。本研究では、黄色ブドウ球菌のLTのうち特にIsaAがバイオフィルム形成に関与していることを明かにした。また、isaA遺伝子の欠損によりMRSAのβ-ラクタム薬感性化が誘導されることを明かにした。これらの結果は、IsaAが黄色ブドウ球菌感染症の難治化要因であるバイオフィルム形成やβ-ラクタム薬耐性を制御するうえでのターゲットとして有望であることを示唆するものである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
黄色ブドウ球菌の薬剤耐性とバイオフィルム形成は本菌による感染症の難治化要因であり、効果的な制御法の開発が求められている。本研究では、細胞壁ターンオーバー因子であるIsaAが黄色ブドウ球菌の薬剤耐性とバイオフィルム形成の両方に関与することを明かにした。今後、バイオフィルム形成やβ-ラクタム薬耐性におけるIsaAの役割をさらに深く理解することで、細胞壁ターンオーバーを標的とした黄色ブドウ球菌感染症の新規治療法の開発につながるものと期待される。
|