研究課題/領域番号 |
19K07548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
塚本 健太郎 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80434596)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バルトネラ / Bartonella / 猫ひっかき病 / 細菌性血管腫 / BafA / オートトランスポーター / 血管新生 / 血管内皮細胞 / VEGF / VEGF受容体 / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
猫ひっかき病の原因菌であるバルトネラ・ヘンセレなど病原性バルトネラは、いずれもヒトに感染すると血管新生を誘導することが知られている。これらバルトネラ属の細菌は、血管内皮細胞に直接作用して細胞増殖を促進させると考えられており、最近、その原因物質として“BafA”という菌が分泌するタンパク質を特定した。BafAは血管内皮細胞の増殖や管腔形成を促進させる活性をもつが、その作用機序は不明である。本研究では、BafAに応答する宿主因子、分子内の活性部位・構造を明らかにすることで、BafAによる血管新生促進機構の全容解明を目指す。本研究の成果はBafAを有効成分とする創薬応用への基盤構築にもつながる。
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研究成果の概要 |
本研究では、バルトネラ属細菌に特徴的に見られる血管新生亢進作用のメカニズムを解明するため、菌が分泌する細胞増殖因子BafAの機能解析を行った。BafAの組換えタンパク質を大腸菌発現系で作製して活性を調べたところ、BafAはヒトの血管内皮増殖因子の受容体であるVEGFR2に結合することで下流の細胞増殖シグナルを活性化することがわかった。また、細胞増殖促進作用だけでなく、動物個体レベルにおいて血管新生を促進する作用があることも明らかにした。BafAはバルトネラ属細菌の多くに共通して存在しており、本属菌を特徴付ける重要な因子であるといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バルトネラ感染症においてしばしばみられる血管増殖性病変に関して、血管新生を促す菌由来因子の存在が長年指摘されていたがその実体は不明であった。本研究によりこの因子がBafAであることを突き止め、その作用機序まで明らかにすることができた。これらの成果は、バルトネラ属細菌の感染性・病原性についての理解を深めることに繋がる。また、BafAは細菌由来としては初めて発見された血管新生因子であり、細菌学分野だけでなく血管関連の基礎研究から再生医療や血管新生療法で用いる治療薬としての創薬応用も期待できる。
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