研究課題/領域番号 |
19K07565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
常田 聡 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30281645)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | persister / エネルギー代謝 / ATP / 乳酸デヒドロゲナーゼ / SOS応答 / 抗菌薬抵抗性 / DNA修復 / 大腸菌 / persiter / Persister / 形成機構 / 根絶技術 / トランスクリプトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
一時的に休眠するpersisterが細菌集団のごく一部で形成されることによって感染症が完治しないことが問題視されている。我々は、乳酸代謝遺伝子ldhA発現を起因とするpersisterが、既往の経路とは異なり、エネルギー蓄積によって抗菌薬ストレスに備えていることを見出した。本研究では、これらの成果を発展させ、オミクス解析を用いてエネルギー蓄積型および従来のエネルギー枯渇型のpersister経路のメカニズムを比較解析する。それらの解析結果を基に、persisterの形成を阻害あるいは休眠状態から覚醒させることによって治療効果を高める代謝物質の同定を目指した基礎研究を行い、臨床応用を目指す。
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研究成果の概要 |
細菌集団の一部でpersisterと呼ばれる休眠状態の細菌が存在しており、抗菌薬から生き残ることが知られている。本研究では、大腸菌をモデル細菌株として用い、ldhA発現を起点としたエネルギー蓄積型persisterの形成メカニズムを明らかにすることを目的とした。ldhAを過剰発現させた結果、SOS応答の制御遺伝子recAの発現量が有意に増加すること、および抗菌薬処理後のヒドロキシラジカルの産生量が抑制されていることが示された。これらの結果から、ldhA発現によりATPが蓄積され、DNA損傷時にSOS応答を介したDNA修復が活発に起こり、抗菌薬投与下でも生存できることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
persisterは感染症患者内に長期間潜伏することによって耐性菌形成を促進させるため、persisterを効率よく根絶させることが重要な課題となっている。従来、persisterはエネルギー代謝が枯渇した状態にあることが一般的であるとされていたが、本研究成果からエネルギー代謝が増加することによって抗菌薬に備える新たなpersisterの生存戦略獲得メカニズムが明らかとなった。本研究の成果を活用し、既存のエネルギー枯渇型persisterと新規なエネルギー蓄積型persisterの分子標的薬剤の開発により、感染症の治療期間が短縮化でき、耐性菌の出現を抑制することが期待される。
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