研究課題/領域番号 |
19K07569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 杏林大学 (2022) 国立感染症研究所 (2019) |
研究代表者 |
三戸部 治郎 杏林大学, 医学部, 教授 (40333364)
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研究分担者 |
柳原 格 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 免疫部門, 部長 (60314415)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 赤痢菌 / ワクチン / Hfq / RodZ / 免疫染色 / 赤痢 / III型分泌装置 |
研究開始時の研究の概要 |
赤痢菌は多数の血清型があり弱毒化が困難なためワクチンが実用化されていない。私たちは多機能な制御蛋白Hfqが赤痢菌のストレス応答に必須で、その欠損株はストレス耐性が低下するため弱病原化すると共に、赤痢菌群に共通な病原蛋白が増加することを見出した。そして血清型を超えた効果がある生ワクチン候補株を作製し、動物実験で効果を証明した。本研究ではより安全なワクチン株を開発すると共に、その安全性と信頼性を担保するために、病原蛋白の発現制御の未解明部分を明らかにする。
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研究成果の概要 |
赤痢菌は細胞内で増殖し宿主の免疫から逃れるためワクチンが実用化されていない。申請者はRNA結合蛋白Hfqが赤痢菌のストレス応答に必須で、その欠損株はストレス耐性が低下すると共に、赤痢菌群に共通な3型分泌装置の発現が増加するためワクチン効果があることを見出した。本研究ではより安全なワクチン株を開発するため、2箇所の遺伝子改変を行った改良株が、元株同様に動物に血清型を超えた効果を示すことを確認した。また赤痢菌のIII型分泌装置の発現の解析を推進し欠損株がHfqと同じ表現型を示すRNA結合蛋白RodZの多量体形成機構について報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌性赤痢は上下水道が発達した先進国では克服された疾患だが、世界的には発生数と死亡数が共にロタウイルスについで第2位の、いわゆる“顧みられない熱帯病”である。ワクチンが渇望されるが、開発開始から半世紀以上経っても実用化されていない。申請者は赤痢菌群に共通する病原因子を抗原として、血清型に依存しないワクチン改良株を開発し、動物実験レベルでの効果を確認した。また、基礎研究の必要上開発した、細菌の免疫染色法と超解像度顕微鏡で観察する手技を発表論文上で詳細に公開した。
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