研究課題/領域番号 |
19K07597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 千里金蘭大学 |
研究代表者 |
白木 公康 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (50135745)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 母子感染 / 細胞トロピズム / 温度感受性 / 遺伝子変異 / 病原性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、HSVの垂直感染にトロピズムが感染に関与するという研究である。2組の母子感染のウイルスのペアを得たことによって、母と児のウイルスの違うという現象を見出し、垂直感染の母子のウイルスのトロピズムを明らかにする。HSV-2が垂直感染するために、母のウイルスと変異して性状変化を起こし、その変化したウイルス集団が選択され、母のウイルスの約5%のみが垂直感染に関与する。すなわち、これまで知られていなかった「ウイルス感染のために、一部のウイルスに酵素遺伝子に変異を起こして、性状変化を起こし、児の細胞・体内での増殖能を得て、新生児に垂直感染する」という新しい感染成立機構の概念が確立できる。
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研究成果の概要 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)母子感染は、出産時に外陰部にHSVが存在して5%しか感染しない。母の外陰部株と新生児株の2セットを得て、母株と児株ではUL13遺伝子の変異を確認し、細胞トロピズムと温度感受性に差異が共通で米国株も含め19株のうち、出産後8日以内の5株中4株ではUL13の変異を認め、それ以降の14株中12株や性器ヘルペス27株ではUL13の変異を認めなかった。UL13の野生型と変異型UL13をHepG2細胞に発現させ、プロテオーム解析により、標的蛋白はelongation factor 1 delta を同定した。以上のように、HSVの母子感染にUL13の関与を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)母子感染は新生児の致命的感染症になるため、帝王切開によりそのリスクは回避されている。本研究では、出産時に母体外陰部にウイルスが存在しても、容易に感染しないで、UL13に変異があるウイルスが選択された場合にだけ、母子感染が成立していることを明らかにした。そして、そのUL13は、細胞のトロピズムと温度感受性にかかわり、外陰部の温度と新生児の体温が外陰部株と新生児株と相関しており、生物学的特性と合致する事、および、そのUL13がelongation factor 1 δを標的としていることも明らかにした。
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